岡崎の八丁味噌が危ない
一時から八丁味噌の老舗カクキューの早川社長にインタビューする。岡崎を代表する名産八丁味噌をおつくりになる会社で、兄弟会社のまるやさんと大切な味を守り続けて見えた優良企業であります。 お忙しき中、押しかけたにかかわらず時間をとっていただいた。江戸時代から長き伝統工法で作り続けてみえる八丁味噌は岡崎の誇りであります。 しかしその味噌醤油業界に大変な嵐が巻き起こっている。なんと岡崎が本家本元のこの八丁味噌が他の企業連合によって、他国に売ることができなくなってしまう事態が起きているのです。事は昨年末に表面化。、八丁味噌の名を冠した味噌が2社の同意なく他のみそ製造業者により販売されていたのだ。無論「八丁」というのはこの2社のある地名八丁からきているのは周知の事実。二〇年ほど前からか、八丁の名を冠した味噌が他市にて出回り始めた。 それを聞きつけた二社は販売元に名称使用をやめるように要請して江戸初期から独特の醸成法を守り抜いてきた八丁味噌ブランドを守ろうとされた。しかしその会社は八丁のなを冠した味噌はそのネームバリューが故によく売れたため、八丁を冠した商品を次々に販売し続けていたと言われる。八丁味噌の製法は古式ゆかしく六年だったかをかけて発酵醸造させて作成。しかし他の著名なみそ屋は三年、中には三か月そこらで製造して八丁の名を冠して販売していたのだ。 丁度、NHKで「きらり」という名の朝番組が流れたころの話。 これは感動的な味噌作成のドラマでありました。 岡崎が大いに沸いた時期でした。しかしその前後から安直製法の「八丁味噌」やそれを材料にした様々な製品が出されてきていたのです。 私は個人的に、ああ名古屋でも売ってくれているのかと、八丁の名を見つけて喜んでいたのです。当然岡崎から降ろしているものとばかり思っていました。利益の何割かはどちらかの会社に入るものだと思い込んでいた。しかし全く何の見返りもなく無関係な企業が勝手に名八丁味噌の名を使っていたのです。販売差し止め要請にはその味噌会社らは応ぜず、ならばと商標登録を老舗二社がなそうとした際には様々な力が。結果、二社は取り下げにせざるを得なかったようです。「地域に利害の反する団体があれば認定しない」との農水省の判断基準文面があるため、致し方なく。ところがGI制度(地理的表示制度)の推進が国の方針となり、昨年末、今度は逆に老舗の承諾なしに八丁の名を冠した複数の味噌会社が申請して認可を受けてしまった。事実上老舗二社は欧州などへの輸出が出来なくなってしまったのです。GIを認定された商品しか輸出できなくなるようですので。国内では何百年も前から製造販売している八丁味噌老舗は販売権は守られますので販売はできるようですが。 軒を貸して母屋がとられるとの言葉がありますが、軒をかさずに母屋がとられたようなおかしな話です。そもそもこうした話は最近中国人がめったやたらに起こして来た話にそっくりではありませんか。全くおかしな話で岡崎商工会議所も国へ陳情してくれたりしていた中で、このこの裁定です。直前には、老舗二社が反対しているから後発のしかも製法が違う複数社の申請は通せないとの農水省周辺の声があったため、まさかこんな事態になるとはと社長はじめ社員の皆さんは不信感一杯でいらした。事態がどう動くかまだ分かりませんが、こうした不道徳が日本国内で起こされるとは岡崎市民として全く合点がいかない。何しろ温和な社長で争いを好まれない社長。しかしこの事態は岡崎市民として、道義を重んじる三河人として放置できない問題。僕らの目から見れば詐欺に近い販売ではないかと怒りを覚える。農水省はどう見ているのか聞いてみるつもりです。