ジャン=マルク・ルイサダ ピアノリサイタル
ジャン=マルク・ルイサダ ピアノリサイタル ショパン:マズルカ全曲演奏会 (フェスティバルホール)NHKスーパーピアノレッスンでおなじみになったルイサダ先生のリサイタル。曲目はショパンのマズルカ全曲で、Op.6,7,17,24,30,33,41,50,56,59,63で全41曲。いくら小品のマズルカといっても全41曲になると、14時に開演で終演は17時前だった。ルイサダ節ともいうか、彼独特の叙情性あふれた演奏で、マズルカ全曲は私にとってはつらいかも・・という思いは杞憂に終わった。音数の多くない短調の曲に彼の良さがでていて、切なさやもの悲しさの表現は素晴らしかった。特に印象に残ったのは、Op.17-4(13番) とOp.56-3(35番)かな。後半37,38,39番はちょっとスタミナ切れ気味だったが、最後40,41番ではうまくまとめてきた。超絶技巧派のピアニストではないが、職人肌というか、弾いている姿を見ていると、エプロンをした時計職人(ルイサダさんのお顔)が飾りのいっぱいついた鳩時計を作って、出来上がった鳩時計をうれしそうにニコニコしながら見せてくれているそんな姿を想像してしまった。アンコール曲はシューベルト 即興曲Op.90-4シューベルト ピアノソナタ第4番 Op.164-2このシューベルトのソナタが良かったぁ~ なかなかいいシューベルトを聞ける機会は少ないんだよね。シューベルトの“天国的な音”が奏でられていて、ルイサダさんのシューベルトはいいかもしれない。アンコール後の最後、「もう弾かないよ」のサインに、ピアノのふたを閉め、椅子を持って手をふりながら舞台袖にひっこんでいった。おちゃめな人だ終演後、劇場ロビーでサイン会があった。またとない機会なので、後ろのほうだったが列に並んだ。「ぼん・そわぁ~むっしゅう」と「めるし~ぼくぅ、お~るぼわ~」だけフラ語。「演奏を楽しませてもらいました」は英語で。家に帰ってから娘に言ったら、「それもフラ語で言わなあかんやん」と叱られたが、わたしゃ知らん・・・握手してもらってサインをもらい、とてもいい記念になった。