2010年1月。まもなく夜も明けようという時間である。
こういう時には、こんな字がふさわしい。
この字は”みゆ字”という創作文字だ。みゆさんがパソコンの外字機能を使って創作した。
明(AKE)で展示もされた。
明(AKE)での展示にふさわしく、数十種のみゆ字の冒頭をこの上の文字(読みは何としようかな)にしてもらった。
創作中にパソコンを覗いてみた。「明」の字(これは普通の明朝体の明をそのまま持ってきているわけだが)の上のほうに○を無造作に二つ。さらには、左下のほうにも○ひとつ。
「はい、終わり。」
「えっ? もう終り(みゆ字にしては、殺風景だな~)? シンプルだねえ。
この上にある輪っかは何?」と聞くと、
「これはね~、煙草のけむり~」
と思いがけないものが登場した!
なるほど、言われてみれば、明るい火のイメージに煙草の煙があっても不思議ではない。
ここがみゆ字のいいところ。
「でもさあ、なんで煙が二つあるのぉ?」と聞いて驚いた。
「ああ、これはね、パパとママの煙草だから」
「あっそうかあ。パパとママも煙草吸うんだったよねえ。」
「そう、だから並んで吸っているの~」
参った。やられた。明はこうしてみゆ字に「なった」。
みゆ字はこうして、一日3字のペースでコツコツとみゆさんによって創られている。
みゆ字工房だ。
さて、さて、今年はこの境界線に舟を出すにあたり、どんなことで煙に巻くか、巻かれるか。
みゆ字とともに見守っていきたいものだ。
(603文字)