ブランド価値の1位はソニー?
今日の産経新聞の記事に、野村総研が昨日発表した「企業のブランド価値を金銭で評価するサービス」の開始のニュースがありました。これは、経済産業省が音頭をとって行った「ブランド価値研究会」が昨年6月に発表したモデルに基づいて各企業ブランドの金銭価値を算出したもので、(1)競合企業に比べ、どれだけ高い価格で販売できるか(研究会では「プレステージ・ドライバー」と名づけています)(2)固定客の存在により、長期にわたり安定した販売量を確保できるか(同じく「ロイヤルティ・ドライバー」)(3)ブランドを活用した異分野、海外での売り上げ(同じく「エクスパンション・ドライバー」)を、約3000社の上場会社を対象に、各企業が公表している財務データ(05年3月末を基準)から数値化し算出したもの。野村総研のニュースリリースによると、そのトップ30は(社名の後の数字はブランド価値・単位億円):1) ソニー: 59,7622) 本田技研工業: 32,723 3) 松下電器産業: 24,756 4) キヤノン: 24,394 5) トヨタ自動車: 24,306 6) 花王: 24,2747) ソフトバンク: 21,145 8) 日産自動車: 20,330 9) 三共: 19,876 10) 東海旅客鉄道: 19,185 11) 東日本旅客鉄道: 17,712 12) 資生堂: 14,679 13) 任天堂: 13,596 14) セブン-イレブン・ジャパン: 13,557 15) ベネッセコーポレーション: 11,527 16) 富士写真フイルム: 11,384 17) オリンパス: 11,36718) メディセオホールディングス: 10,983 19) 武田薬品工業: 10,73020) エーザイ: 10,327 21) 大正製薬: 9,818 22) 麒麟麦酒: 9,65723) ヤフー: 9,382 24) イトーヨーカ堂: 8,404 25) 電通: 8,29426) エヌ・ティ・ティ・ドコモ: 8,241 27) イオン: 8,02128) 大日本印刷: 7,71429) マツダ: 7,624 30) シャープ: 7,589ということで、今かなりつらい状況にあるソニーが断トツの一位(2位のホンダの1.8倍以上)、という「意外」な結果でした。フォーチュン誌による「Global Top 500」など、他のブランド・ランキングでは日本発のブランドではトヨタがほとんどトップなのですが、ここでは一位のソニーの方が2.5倍も強い、という不思議な算出結果。※ちなみに、BusinessWeek誌が発表した「Top 100 Global Brands 2005」(ブランドコンサル会社のInterbrandが協力)によると、トップ100に入っている日本企業は・9位:トヨタ 248億3700万ドル(約2兆7300億円)・19位:ホンダ 157億8800万ドル(約1兆7400億円)・28位:ソニー 107億5400万ドル(約1兆1800億円)・35位:キャノン 90億4400万ドル(約9950億円)・50位:任天堂 64億7000万ドル(約7100億円)・78位:松下電器産業 37億1400万ドル(約4100億円)・85位:日産 32億300万ドル(約3550億円)の7社で、ランクも金額もかなり違いますね。あまり詳しいことはわからないのですが、上記の経済産業省のドキュメントを見ていると、各ファクター(ドライバー)を計算する際に用いる売上高などの企業の財務データは、全て「5期平均」である、つまり5年前からの数字の平均である、というところもこのランキングの不思議さの一因のような気がします。5年前ごろ、ってソニーは全盛期だったもんなあ。栄枯盛衰。