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カテゴリ:文化女子記者さん、こんな話も。
土がメタボになってくる理由[わけ]。
有機物は分解・発酵過程を経て、「硝酸」となった時点ではじめて植物に 吸収・利用されるとされています。 タンパク質 →アミノ酸 →アンモニア →亜硝酸 →硝酸 といった順番です。 したがって硝酸に分解するまでは効かない〔未分解の状態ならECメー ターでも計れませんし〕。そこでありがちになるのは、 有機物をやったのに効かないな。足りなかったのかな。 と、ヒトにおもわせがちになること。ヒトがそう思って、さらに有機物 を施用してしまいがちになることです。 この行為がさらなる有機物の施用をよび、結果的に土をメタボ化させる 大きな要因となります。 こういった未分解の有機物の大量施用の影響は、土がメタボ化するだけ ではとどまりません。 植物の根に障害をもたらします。その原因はおおきくふたつ。 ■ 有機物の分解に伴う硫化水素やメタンなどの有害なガスの発生 ■ 土中の有機物が分解されるときに生じておこる土中の酸素不足 です。 その結果、お花や野菜の地下部が生育不良となり、その後地上部の生 育不良もひきおこしてしまうことになりがちになります。 さらにここから。 作物の元気のなさから、まだ有機物が足りないと思いこんで、さらに 有機物を施用していくとしたら・・・行きつく先は圃場から溢れ出し 水に乗った富栄養分による日本国全体のメタボ化でょうね。 ちなみにいま宮崎県地方では早期イナ作の田植えが真っ盛りなのです が・・水田に未熟有機物をたくさんいれた状態で、田植した場合には 水が温み始める5月の連休ころから前述のガスの発生が始まります。 その後は 分解が進んだ過剰な栄養分がイネに吸収されていき、収穫 前になって軟弱都徒長したイネがばったり倒伏して収穫が皆無になっ てしまうといったところが定番の生育パターン。。 こうなると[作物をそだてているのか有機物を処理しているのか]な にをしているのか、わからない状態にもなりかねません。 ということで今回は、限度を超えた有機物施用には気をつけましょう というおはなしでした。 こういった有機物の分解の過程がよくわかるのは、水を貯 めてみることです。それまで見えなかった分解の過程で発 生するガスが、見えるようになりますよ。ぶくぶくぶくぶ く、ぶくぶくぶくぶく土中から泡がいっぱい湧き出してき ます。たとえばそんな水田の中をハダシで歩くと、ガスの 存在を肌で体感できますよ。 ・・・そんなとき思うんです。土の中にはやっぱり酸素を いれてあげたいなって。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 20, 2019 02:52:35 PM
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