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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Jan 12, 2014
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

摂食嚥下障害と認知症

20140117#2012.9.13摂食嚥下障害と認知症#37

20140117#2012.9.13摂食嚥下障害と認知症#38
摂食および嚥下障害においてNewフェルガードLAは絶対的第1選択である。NewフェルガードLAを投与しておけば誤嚥性肺炎で命を落とす可能性は非常に低くなる。一旦経口摂取が不可能になり胃瘻増設をしたとしても、胃瘻からNewフェルガードを注入すれば嚥下機能の著明改善が期待できる。胃瘻に否定的な風潮があるが、胃瘻からの確実な栄養摂取により体力回復を促し同時にNewフェルガードを確実に摂取して摂食嚥下障害を克服すれば、再び経口摂取が可能になることも多々ある。レビー小体型認知症が代表的であるがどのタイプの認知症でも意識障害を伴っておればシチコリン1000mg静注も併せて行いたい。食欲低下には食欲セット=ドグマチール(50)1錠1日1回朝食後(最長30日間)およびプロマック(75)2錠1日2回朝夕食後が有効率80%(コウノメソッド2014)である。鬱状態があればジェイゾロフト(25)1錠1日1回夕食後を投与する。

20140117#2012.9.13摂食嚥下障害と認知症#38
レビー小体型認知症に伴う筋硬直にはネオドパストン(100)1錠1日2回朝夕食後を投与する。脳血管性認知症に伴う筋麻痺にはプレタールおよびプロルベインDRを開始する。前頭側頭型認知症は筋麻痺/筋硬直を伴うためNewフェルガードLAとネオドパストンを併用する。NewフェルガードLAで興奮してしまう場合にはグラマリールを併用する。

認知症ブログに掲載したレビー小体型認知症の経過

20140117#4926#53
内科開業医がアリセプト3-5mgが出し食欲低下が見られたため家族の判断で一旦中止したものの、主治医が出し続ける間に慣れて飲めるようになっていた。アリセプトのため興奮状態が見られ、周辺症状としては幻視と妄想が見られた。レビー小体型認知症がほぼ決定的である。頭部CTを見てみると症状の割に所見が少ない。これもレビー小体型認知症を支持する。レビー小体型認知症の場合、頭部CT上所見が少ないのが所見である。アリセプト中止後1週間したら、リバスタッチパッチ4.5mgに変更としフェルガード100M2包を勧めた。幻視は昼間もあるとのことで抑肝散は朝夕1包ずつとした。妄想は脳血流低下が誘発するのでプロルベインDR4Capを勧めた。34日後、すべての周辺症状は消失しており、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+3)、近時記憶2/6(+-)と軽度改善していた。

20140117#4918#54
県外で独居生活をしてみえ、長女が認知症に気づき当クリニックを受診された。非常に穏やかで周辺症状はほとんどないが、夜間大声および昼間傾眠、頭部CTで前頭葉以外に萎縮が見られない。レビー小体型認知症の頭部CTは所見が少ないのが所見である。レビースコア3でありレビー小体型認知症と診断した。中核症状の改善のためリバスタッチパッチ4.5mgを開始して、Newフェルガード2包を勧めた。昼間傾眠にシチコリン1000mg静注しておいた。脳血管性認知症も合併しており、プラビックスおよびサアミオンも併用した。23日後、周辺症状は消失しており、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近時記憶5/6(+3)と改善していた。リバスタッチパッチ4.5mgから9mgに増量した。初診から83日後、周辺症状はなく、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+5)、近時記憶5/6(+-)と著明改善していた。

20140117#4920#55
ケアマネからの紹介である。長男と2人暮らしで昼間独居。隣人からクレームが入り、当クリニックを紹介された。幻視(人が居る)と妄想(物とられ妄想)のため「隣人が自宅の中に入ってきて物を持って行く」ということで怒鳴り込んでしまったのである。ふらつきがあり転倒もしていた。幻視には抑肝散、妄想にはセレネース、歩行不安定にネオドパストンを開始した。認知機能回復のためリバスタッチパッチ4.5mg開始、フェルガード100M2包を勧めた。幻視および妄想予防にシチコリン1000mg静注も併用した。28日後、歩行は安定して幻視と悪夢は消失したが、妄想から来る興奮状態は続いていたためセレネース0.2mgから0.4mgに増量した。中核症状は改訂長谷川式:20.5/30(+3)、近時記憶2/6(+1)と改善が見られた。

20140117#4935#56
旧友からの紹介である。毎日、自転車に乗って池にヘラブナを釣りに行っているが、後方に倒れそうになるため池の畔に座椅子を用意/片付けするときは池を正面に見て行うということだった。レビースコア4点。小刻み歩行や歯車様固縮も見られ、ネオドパストンを開始した。認知機能改善のためリバスタッチ4.5mgを開始して、穏やかな方なのでNewフェルガードLA2包を勧めた。多発性ラクナ脳梗塞にプラビックスおよびサアミオンを追加し、境界領域梗塞にプロルベインDR4Capを勧めた。50日後、歩行は安定しており、後方への傾きも改善していた。中核症状は改訂長谷川式:26/30(+3)、近時記憶4/6(+-)と改善していた。


PET(プラスの電気を帯びた電子(陽電子)を出す放射性物質を体内に投与し、その体内分布をカメラで映像化する診断方法)による認知症病因蛋白の画像診断法

PET画像診断による超早期診断の方法論

J-ADNI(日本アルツハイマー病脳画像診断先導的研究)の不正事件が大きく報道された。このJ-ADNIでは認知症をPETを用いた画像診断法で超早期診断しようとしている。アルツハイマー型認知症(AD)の早期診断のために開発されたPET Aβ(アミロイドベータ)画像診断は特異性のある[11C]PIBという放射線物質を体内に入れて画像化する方法である(Ann Neurol. 2004 Mar;55(3):306-19)。パーキンソン病(PD)にはPET Dopamine transporter (DAT)画像診断、鬱病にはPET 5-hydroxytryptamine (5HT, serotonin)画像診断法が実用化されている。AD/ピック病/進行性核上性麻痺(PSP)/大脳皮質基底核変性症(CBD)にはPET tau(タウ)病変(神経原繊維変化)画像診断法も論文発表された(Neuron. 2013 Sep 18;79(6):1094-108)。レビー小体型認知症(DLB)/PD/多系統萎縮症(MSA)にはPET α-synuclein 画像診断法が研究段階である。近い将来、あらゆる種類の認知症病因蛋白を画像化することが出来るようになるだろう。従って、ドクターコウノが「コウノメソッドでみる認知症治療」(河野和彦著、P102)で予想されておられるように認知症が「Aβ30%-tau20%-α-synuclein50%」などというように表現されるような時代が訪れるかも知れない。

ただ、いくらPET画像診断で発病前認知症(漢方で言う未病)が発見されても、発病しないようにする方法が見つけられない限り「知らぬが仏」ということになってしまう。その方法が見つからない限り、J-ADNIで行われているPET Aβ画像診断で超早期診断するのは無意味なのである。

今のところ沈殿したAβを取り除く安全な方法はない

私事であるが、1999-2005年までペンシルベニア大学頭部外傷センター(アメリカ合衆国ペンシルベニア州)で頭部外傷後に蓄積されるAβをラットやミニブタモデルを使って6年間研究していた。頭部外傷ラットやミニブタはAβが1ヶ月をピークに蓄積されるが3ヶ月後には消失していた。正常神経細胞にはAPP(アミロイド前駆タンパク)という神経特異膜タンパクが見らる。APPは神経細胞のマーカーとも言える。APPは何らかの刺激によりβ-secretase(ベータセクレターゼ)とγ-secretase(ガンマセクレターゼ)という酵素が賦活することでAβとなる。正常脳にはある程度Aβを取り除く能力があるということになる。

Aβは神経細胞内では水溶性であり毒性はない。神経細胞内Aβは何らかの役割を持つ毒性のない膜構成蛋白と考えられる。神経細胞から細胞外に出ると沈殿して毒性のあるAβ(老人斑)となる。以前にヨーロッパでAβを抗原抗体反応で取り除く臨床研究が行われたが、治療研究中に数例に脳出血が起こり中止になった。膜構成蛋白であるAβを取り除けば脳毛細血管が弱くなり、血管が破れるのは必定である。日本で行われているワクチンも同じ理由で上手くいくとは考えにくい。一旦、沈殿してしまったAβ(老人斑)のみを安全に取り除く方法はないし、Aβを取り除くことが治療に結びつく保証もない。ラットやマウスで上手くいったように見えても、人間で上手くいくとは限らない。

Aβが沈殿しないように予防する方法がある

認知症ブログ2014年1月10日で発表した「長久手南クリニック 認知症専門外来 病型分布(初診時)改訂版」ではアルツハイマー型認知症(混合型認知症を含む)は認知症全体の13.8%しかないが、レビー小体型認知症やレビー・ピック複合もある程度Aβが関与しているので、認知症全体の72.4%にAβが関与していると言える。フェルガードにはAβが沈殿して老人斑になるのを防ぐ作用がある。従って、フェルガード100Mを飲ませればかなりの確率で認知症を予防できる。PET Aβ画像診断でAβ陽性の患者にフェルガード100Mを飲ませれば、国家全体としての医療費や介護費用を削減できるのではないか。





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Last updated  Jun 18, 2023 05:28:42 PM
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