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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Jan 18, 2015
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)の臨床病型分布

ドクターイワタの認知症ブログで今までに提示したDNTC36例の臨床病型分布を表にまとめてみた。DNTCは病理分類であり、臨床病型分類ではない。DNTCの臨床病型は前頭側頭葉変性症42%>レビー・ピック複合32%>レビー小体型認知症14%>混合型認知症11%であった。石灰化の程度に関わらず(片側でも)淡蒼球に石灰化がある場合は約3/4にピック症状が、約1/2にレビー症状が合併するということを念頭に置いて治療方針を立てるべきである。ピック症状がない1/4も今後ピック化する可能性がある。
20150118@DNTC36例@319

石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)とは
石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)=ファール病は大脳基底核(線条体、淡蒼球)、小脳歯状核に石灰化をきたす疾患である。欧米では最近、両側性の大脳基底核に石灰化をきたす疾患としてIdiopathic bilateral ganglionic calcification (IBGC)という呼称が好んで用いられている。脳内に石灰化を来す原因として、一部には副甲状腺機能低下症、ミトコンドリア脳筋症など明らかな症例もあるが、ほとんどは原因不明であった。2012年、家族例と孤発例からIII型ナトリウム依存性リン酸トランスポーター2(PiT2)をコードする SLC20A2 の変異が報告された(Wang C et al Nature Genet 44:254-256 2012)。しかし、未だ他の多くの家族例や孤発例は原因不明である。臨床症状も無症状からパーキンソン症状など錐体外路症状、小脳症状、認知症状をきたすなど幅広い。また初老期認知症の中で、ファール病同様の石灰化とともに、病理学的に大脳皮質にびまん性に多数の神経原線維変化を認める疾患が日本から報告されており(NTC=小阪・柴山病(Kosaka K JNNP 57:594-596 1994))、その関係、関連を検討することも今後の課題である。以上、難病情報センター(ファ-ル病(特発性両側性大脳基底核・小脳歯状核石灰化症)(平成24年度)より引用。 

症例報告
20150118@5547@314
インターネット検索で来院された。物忘れ、易興奮という情報だけだったが、腕組みおよび膝組みと60歳台と若年発症ということから前頭側頭葉変性症とすぐにわかった。 50歳-70歳前半でアルツハイマー型認知症の患者さんは非常にまれである。頭部CT: 1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、6.その他 前角拡大。以上からレビースコア:1.5 ピックスコア:5。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、易興奮であることからフェルガード100M2包を勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式: 25/30(+1)、近時記憶3/6(+-)と少し改善、、周辺症状は余り変わらなかった。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+-)、近時記憶5/6(+2)と更に改善、周辺症状は改善傾向が見られた。改善したらレミニール4mg維持である。

20150118@5577@315
インターネット検索で来院された。物忘れ、幻視、悪夢、夜間大声、アパシー、REM睡眠行動障害(リボトリール)、昼間傾眠、甘い物好き、生真面目、腕組み、語義失語からレビースコア:5 ピックスコア:5。 頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮なし、5.脳梗塞なし。REM睡眠行動障害に対して前医からリボトリール0.5mgが処方されていたが、認知機能低下については未治療だった。認知機能低下に対してリバスタッチパッチ4.5mgを開始、周辺症状の悪化を避けるためNewではなくフェルガード100M2包を勧めた。以前、REM睡眠行動障害に対するリボトリール0.5mgを中止したところ夜間足をバタバタさせるようになって再開した経験からリボトリール0.5mgは維持、幻視/悪夢/夜間大声に抑肝散2.5g夕およびシチコリン1000mg静注を追加することにした。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+6)、近時記憶2/6(+-)と著明改善、上記周辺症状すべて消失した。一発改善である。改善したらリバスタッチパッチ4.5mg維持である。

20150118@5445@316
ケアマネからの紹介である。物忘れ、語義失語、収集癖、真面目からレビースコア:2 ピックスコア:5。 頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、境界領域梗塞、6.その他 ピック切痕、右淡蒼球石灰化軽度。。中核症状は改訂長谷川式: 22.5/30、近時記憶5/6と軽度低下であったが、語義失語(右手で左肩を叩く○、猿も木から落ちる△、犬も歩けば棒に当たる○、 弘法も筆の誤り×、利き手×)は顕著であった。簡易知能検査には改訂長谷川式簡易知能検査、時計描画テストだけでなく、語義失語テストも含めた3つの簡易知能検査をルーチン検査として行うべきである。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、フェルガード100M2包を勧めた。ピック感を感じたためグラマリール25mgを加えておいた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+3.5)、近時記憶6/6(+1) と改善、周辺症状はすべて消失した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:29.5/30(+3.5)、近時記憶6/6(+-) と更に改善して治癒状態となった。

20150118@5367@317
施設からの紹介である。物忘れ、暴言、暴力、物とられ妄想、介護拒否、夜間不眠、甘い物好き、収集癖からレビースコア:2 ピックスコア:5。 頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮中等度、3.左>右側頭葉萎縮中等度、ナイフの刃、4.左>右海馬萎縮中等度、5.境界領域脳梗塞、6.その他 ピック切痕、両側淡蒼球石灰化軽度。前医(精神科)からセレネース2mgが出ていた。興奮性の強いピック病と診断した。暴言/暴力に対してコントミン12.5mg(フェルガード購入困難)を開始した。1か月後、周辺症状が続いており、コントミン37.5mg(施設天秤法)、フェルガード100M2包を無理を言って開始して貰った。妄想が続いておりセレネース2mgに抑肝散5gを加え、夜間不眠にロゼレム8mg/ベンザリン5mgを開始した。4か月後、妄想は軽減したものの、暴言/暴力は続いており、コントミン75mg(施設天秤法)として最終的にコントミン62.5mgで落ち着いた。金銭的なことからフェルガード100M2包から1包へ減量して維持した。

20150118@5485@318
ケアマネからの紹介である。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、暴言、暴力、易興奮、パニック発作、鬱状態からレビースコア:3.5 ピックスコア:4。部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.右>左側頭葉萎縮軽度、4.右>左海馬萎縮軽度、5.両側境界領域梗塞、6.その他 両側淡蒼球石灰化。中核症状は改訂長谷川式: 17/30、近時記憶1/6と中等度低下、鬱症状はGDS-5 Score 2/5、GDS-15 11/15(5-9軽症/10-15重症)と重症だった。認知機能低下/暴言/暴力にウインタミン朝2mg夕4mgおよびフェルガード100M2包、幻視/幻聴に抑肝散、妄想にセレネース、鬱状態にジェイゾロフトを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+3)、近時記憶4/6(+3)と著明改善、周辺症状は幻視/幻聴が消失、妄想/暴言/暴力が続いており、セレネース0.2mgから0.4mgへ増量、ウインタミン朝2mg夕4mgから朝4mg夕6mgへ増量した。2か月後、周辺症状はほぼ消失していたが、通院拒否のため中核症状は調べていない。

ドクターイワタの認知症ブログ 更新曜日 日曜日に変更
毎週、認知症ブログをアップする日が週末にずれ込んでしまい、実質、日曜日更新となっている。読みに来てくださる方々にも申し訳なく思い、実質的に可能な日曜日更新に変更しようと思う。このブログはあくまでも自分の頭の整理のために記載しているものであるが、これから認知症治療を始めようとする開業医の先生方、認知症患者さんを看護する看護師の方々、認知症患者さんを介護する介護士並びに御家族の方々に是非とも読んでいただきたい。





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Last updated  Jun 18, 2023 05:15:54 PM
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