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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Feb 9, 2021
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

お久しぶりです。ご無沙汰しておりました。おがげさまで長久手南クリニックは患者さんで賑わっています。先週、往診から帰ってみると、薄っすら雪景色の長久手南クリニックを見ることが出来ました。

雪景色の長久手南クリニック1

雪景色の長久手南クリニック2

雪景色の長久手南クリニック3

​症例報告​

親戚からの紹介である。既往歴:R2/6パソコン詐欺、食欲低下。R2/7ミカムロBP(ミカルディス80mg/アムロジピン5mg)、泰生医院内科。R2/8/3鬱状態、ジェイゾロフト75mg、クエチアピン50mg、刈谷病院精神科。物忘れ、幻視、妄想、歩行不安定、夜間不眠、うつ状態、常同行動、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮、④右>左海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他  右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:改訂長谷川式:13/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始、ルベストPRoDR2Capを勧めた。 BP 105/73 P 78と過降圧に対して他院からのミカムロBP(ミカルディス80mg/アムロジピン5mg)中止、歩行不安定にグルタチオン2000mg点滴療法、幻視にシチコリン1000mg静注を開始した。薬物過敏のためジェイゾロフト75mg→50mg→25mg減量、クエチアピン50mg→25mg→12.5mg減量を指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。11日後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+10)、近時記憶4/6(+4)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL174,TIBC230,Zn70以外異常なし。VitB1=23,VitB12=560,葉酸=7.9。同日、グルタチオン2000mg/シチコリン1000mg点滴、以後、訪問看護を導入して毎週同点滴を継続した。1か月後、訪問看護ステーションから点滴前後で暴言が酷く離れたところで観察している、デイサービスでも暴言が酷いと報告が入り、シチコリン1000mg中止、サアミオン10mg/ジェイゾロフト25mg中止するように指導した。3か月後、改訂長谷川式:25/30(+2)、近時記憶5/6(+1)と更に軽度改善が見られた。興奮がなくなり、クエチアピン12.5mg中止した。プレタール100mg、フェルガード100M4錠、ルベスト2Cap、毎週グルタチオン2000mg点滴療法のみとした。


ケアマネからの紹介である。既往歴:H29心房細動アブレーション、愛知医科大学。H31心房細動アブレーション、八事日赤。R1/11類天疱瘡、愛知医科大学①プレドニン②サンリズム③メインテート④タケプロン⑤エディロール⑥塩化ナトリウム⑦ロキソニン⑧ムコスタ⑨バクタ⑩タリオン⑪ロゼレム。R2/1ニューモシスチス肺炎、愛知医科大学。R2/4S結腸ガン、ストマ、愛知医科大学。R2/5腰椎圧迫骨折、池田整形外科。物忘れ、幻視、妄想、夢の続き、暴言、鬱状態、介護拒否、昼間傾眠、感情失禁、アルコール多飲、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。前頭葉症状にウインタミン夕6mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。夜間不眠にロゼレム4mg/リボトリール0.25mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、興奮性はなくなったが外出企図で困るようになったと連絡が入り、ウインタミン6mg夕中止を指示した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+3)、近時記憶5/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Na125,s-Cr,Alb4.0,11.2,Zn64以外異常なし。VitB1=13,VitB12=416,葉酸=20.8。水中毒に対して水制限1L/dayを指導した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善が見られた。


権利擁護からの紹介である。既往歴:H27乳癌、東名古屋病院。物忘れを呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③右側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にNewフェルガードLA粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。内服管理のためふうせん薬局上社店に居宅療養管理指導を依頼した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN25.4,s-Cr0.76,Alb3.8,TIBC315,Hb12.4,Zn63以外異常なし。VitB1=158,VitB12=1340,葉酸=7.1。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(-3)、近時記憶3/6(-2)と軽度悪化した。認知機能低下にドネペジル1.5mg開始、NewフェルガードLA粒1錠から2錠へ増量、脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgから10mgへ増量、ルベストPRoDR1Capから2Capへ増量を勧めた。3か月後、改訂長谷川式:25/30(+6)、近時記憶5/6(+2)と著明改善した。



ケアマネからの紹介である。既往歴:H22不整脈、くすのき内科。R2/4/3左一過性顔面神経麻痺および呂律不全。R2/4/4アルツハイマー型認知症、ひでき・ゆかりクリニック①カロナール②ドネペジルOD錠5㎎③メマンチンOD錠20㎎→元気がなくなった、来院3日前に自己中止。物忘れ、介護サービス拒否、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、右前頭葉脳梗塞、⑥その他   両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:15.5/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。心電図:①軽度ST-T異常:I,II,aVL,V4-6、②軸偏位なし、③心房細動。脳梗塞/心房細動にリクシアナ30mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+4.5)、近時記憶4/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺機能低下症(TSH7.35)。一般採血:Alb3.8,Zn61以外異常なし。VitB1=18,VitB12=294,葉酸=5.2。VitB12欠乏症にシアノコバラミン1mg筋注およびメコバラミン1mg併用、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+4)、近時記憶5/6(+1)と更に中等度改善した。



ケアマネからの紹介である。既往歴:H31洞不全症候群、発作性頻脈、ペースメーカー植入術、公立陶生病院。H32尿路感染症、公立陶生病院。犬飼クリニック①エリキュース2.5mg②タケキャブ③ベタニス④アミティーザ⑤マイスリー。旭労災病院①メルカゾール②チラージン。小幡メンタルクリニック①セロクエル。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、介護抵抗、物盗られ妄想、昼間傾眠、夜間不眠、徘徊、易転倒、感情失禁、尿便失禁、嚥下困難を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/アスペルガー症候群(AS)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。他院からのセロクエル中止、前頭葉症状にウインタミン朝2mg夕4mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。妄想にセレネース0.2mg、歩行困難にグルタチオン2000mg点滴開始、栄養障害のためタケキャブ中止を勧めた。せん妄にロゼレム4mg/リボトリール0.25mg/ベンザリン2mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.1,s-Cr0.89,Alb3.4,TCL185,TG172,TIBC,Hb9.8,Zn52,Ferritin8.0以外異常なし。VitB1=15,VitB12=333,葉酸=3.1。


​安易に抗認知症薬の投与は行うべきではない​
今週の症例報告5例の中では1例しか抗認知症薬を投与していません。それも2か月後になって始めて規定量の半量投与を行ったのみなのです。それでも5例とも数ヶ月で認知機能の著明な改善を得ています。
まずは前医の治療を疑うことから始まります。
最初の症例は降圧剤の中止、抗鬱剤の漸減中止、向精神薬の漸減中止が奇跡の回復を生んでいるのです。プレタールは先発品のみ興奮させることなく認知機能を改善すること、フェルガード100Mも興奮させることなく認知機能を改善すること、ルベストで脳血流を改善すれば認知機能だけでなく妄想も改善すること、グルタチオン点滴が歩行を改善することも知っていなければ奇跡の回復は得られないのです。
2番目の症例はフェルガード100Mにより興奮させることなく認知機能を改善すること、筆者はフェルガード100Mを抑制系と呼んでいるほど興奮も抑えてくれます。ルベストで脳血流を改善すれば妄想だけでなく認知機能も改善してくれます。それによりBPSDを改善することが出来たのです。水中毒はNa投与ではなく水制限が正解です。夜間せん妄にはロゼレム4mg/リボトリール0.25mgの通常の半量投与で著効を得ました。
3番目の症例は独居のためNewフェルガードLA1錠、ルベスト1Cap、サアミオン5mgで一包化して内服管理、2か月目に認知機能低下が見られたため、仕方なく抗認知症薬ドネペジルを通常の半量から開始しています。2か月の準備段階を経て著明改善に至ったのです。
4番目の症例は前医の抗認知症薬の副作用を家族が気付いて、3日前に抗認知症薬をすべて中止して当クリニックに来院されたのです。結果的には素晴らしい判断だったと言えます。頭部CT上、脳塞栓2カ所、心電図で心房細動を認めたため抗凝固剤を開始しました。フェルガード100M粒4錠だけで中等度改善しました。VitB12欠乏症と亜鉛欠乏症の補充療法を加えると更に中等度改善しました。
5番目の症例はBPSDが酷く、フェルガード100Mで抑制をかけながら認知機能改善を図りました。ルベストだけではパワー不足なのでセレネースを少量投与して妄想改善を図りました。ルベストは加えて認知機能も改善してくれます。夜間せん妄にはロゼレム4mg/リボトリール0.25mgの通常の半量投与、夜間不眠にベンザリン2mgでこれも少量投与で著効を得ています。セロクエルは効いていないので中止、タケキャブは胃酸抑制により栄養障害を引き起こしていると考え中止としました。この方は一発改善となりました。
まずは前医の投薬治療の見直しから始めることが大切です。次に、フェルガードやルベストなどの認知機能だけでなくBPSDを改善してくれ、且つ、副作用のないサプリメントを勧めます。1か月後、血液検査で判明した分子栄養学に基づく薬物および栄養補充療法を行います。2か月後、改善が得られない場合は仕方なく抗認知症薬を考慮するのです。この順番を間違えると酷い目に遭うことを良く覚えておいて下さい。





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Last updated  Jun 18, 2023 04:10:12 PM
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