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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Dec 11, 2022
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今日もテニス日和。12月になっても上下半袖の人もいるぐらい暖かい。今日はサーブが入ってストロークもまずまずで2試合勝ちました。やっぱ上手く行くと嬉しいものですね。

娘もテニスを再開しました。部活でテナーサックスを担当しており、テナーサックスを習っています。学校以外にも塾にも通っています。

私の中学時代(東海中学)は部活もせず出来るだけ早く帰宅して、近所のため池でコイ釣りをしていました。これが私には楽しかった。毎日、餌や仕掛けを工夫して、上手く釣れたときの嬉しかったこと。誰も褒めてはくれないけどね。日が暮れるまで釣り場にいて良く親に怒られた。小学生の頃は1日に2時間は自転車に乗っていた。小学校の頃は親が仕向けた習い事はすべてかばんを外に置いて自転車に乗って逃げ回って行かなかった。だから、ピアノも弾けない。そろばんも出来ない。運動は好きだけど特別上手なものはない。人に指図されるのが嫌いなのだろう。

テニス練習を1時間半した後は、症例報告を4例書いていました。そうしてこうやってブログに載せることが出来たのです。ほ~。

​症例報告~治療のポイント~​

知り合いからの紹介である。既往歴:H23心臓バイパス手術。R2腰椎脊柱管狭窄症。R4/10改訂長谷川式:13/30、頭部CT:脳萎縮あり、日進おりど病院。車運転中止。アガぺクリニック①ユリノーム25㎎②タケルダ配合錠(タケプロン15mg/バイアスピリン100mg)③ハルシオン0.25㎎④エパデール1800mg。物忘れ、悪夢、夜間大声、夜間せん妄、車運転中止、生真面目、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にタケプロン15mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mg/エバデール1800mgを継承した。悪夢、夜間大声、夜間せん妄にハルシオン0.25mgを中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(+1.5)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。患者希望によりエパデール1800mg中止、脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgからプレタール100mgへ変更した。甲状腺正常。一般採血:BUN23.7,s-Cr1.30,K5.6,Alb3.7,TCL167,Zn64以外異状なし。VitB1=24,VitB12=418,葉酸=7.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。
​治療のポイント​
​1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止​
プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。
​2.せん妄に対する治療​
夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。ハルシオン、マイスリー、アモバンはせん妄を引き起こしやすいため当クリニックでは基本的に処方しません。処方されている場合は中止します。睡眠薬はレンドルミン12.5mgが第一選択ですが、30日投与制限があるため、当クリニックでは90日投与制限のベンザリン2-5mgを第一選択にすることが多いのが実情です。この方の場合はハルシオンを中止することでせん妄は消失しました。
​3.プレタール先発品:認知症改善効果​
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
​4.味覚低下または亜鉛欠乏症​
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
​5.ビタミンB12低下症​
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。




インターネット検索で来院された。既往歴:20歳摂食障害。頭痛時、クリアミン(片頭痛治療薬)有効。物忘れ、月経時頭痛を呈しており、発達障害を心配されて来院された。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、片頭痛の可能性として治療を開始した。グルテンフリー・カゼインフリー指導した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:30/30、近時記憶6/6と全く正常だった。注意スコア1.5/5。多動スコア0/4。ASスコア 0.5/4。発達障害は否定的だった。片頭痛は自己免疫疾患と考えられており、グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。8日後、甲状腺正常。一般採血:Zn62,Ferritin7.1以外異状なし。VitB1=37,VitB12=754,葉酸=13.4。低Ferritin血症にフェロミア50mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。
​治療のポイント​
​1.自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット​
(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。
​2.味覚低下または亜鉛欠乏症​
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
​3.鉄欠乏性貧血に対する治療​
TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。この方の場合は、Ferritin7.1と血中Ferritin濃度が極度に低下しており、それが原因で血管拡張を伴う頭痛を引き起こしていると考えられましたが。鉄剤内服経験がなく、吐気や便秘を避けるためフェロミア50mgから開始しました。




インターネット検索で来院された。既往歴: H9気管支喘息。H19-29不眠症。R3/10軽度認知障害、ドネペジル3-5mg、愛知医科大学。小林内科クリニック①ドネペジル5mg②テグレトール600mg③メチコバール1.5mg④エビスタ60mg⑤エディロール0.75mg⑥レルベア100mg30回吸入用。物忘れ、アパシー、昼間からビール、甘い物好き、生真面目、薬物過敏、小麦スコア8/9を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。気管支喘息は自己免疫疾患と考えられており、小麦スコア8/9と高値であり、グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットを指導した。ビールは夕食後のみとするように指導した。認知機能低下にアリセプト5mg/テグレトール600mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+2)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。本人は「頭がすっきりした」と話した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL274,TIBC246,Zn73以外異状なし。VitB1=22,VitB12=1910,葉酸=5.0。
​治療のポイント​
​1.ドネペジル5mgの効果がない場合は一旦中止​
前医からドネペジル3-5mgが出ている状態で外来受診された場合は、ドネペジルに治療効果があったかを家族に確かめる必要があります。治療効果がなかった場合は、一旦中止してみることも大切な選択肢です。アセチルコリンを介する抗認知症薬はレミニール、リバスチグミンテープという選択肢もあるからです。抗認知症薬を変更する場合は、最低1週間程度の休薬期間を設けるとよいことが報告されています。
​2.抗てんかん剤は認知症にとって味方にもなるが敵にもなる​
前医から抗てんかん薬が出ている場合は、理由を確認する必要があります。この方の場合は、三叉神経痛に対してテグレトール600mgが処方されていました。御家族からテグレトールを止めているときも痛みは余りなかったという情報があり、中止することにしました。テグレトールは眠気が強く出る場合があることから認知機能低下の原因になりうると考えたからです。案の定、テグレトール600mg中止後、7日後には本人から「頭がすっきりした」というコメントを聞くことが出来ました。
​3.プレタール先発品:認知症改善効果​
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
​4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療​
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。




親戚からの紹介である。既往歴:H19前立腺がん。H27糖尿病、名古屋大学内分泌科①ノボラピッド17単位②テネリア20mg③ボグリボース0.9mg④ランタス10単位⑤アミティーザ48μg。R3/4ドネペジル3-5mg、名古屋大学老年内科①ドネペジル5mg。物忘れ、幻視、寝言、夜間せん妄、易転倒、小刻み歩行、左歯車様固縮軽度、鬱状態、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。 以上から、レビースコア:7、ピックスコア:0、レビー小体病(LBD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。易転倒、小刻み歩行、左歯車様固縮軽度にドネペジル5mgから2.5mgへ減量、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+-)と治癒状態となり、上記周辺症状はすべて消失した。左歯車様固縮軽度残存しており、ドネペジル2.5mgから1.25mgへ更に減量した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TIBC246,Hb12.8,Zn56以外異状なし。VitB1=22,VitB12=454,葉酸=7.2。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。
​治療のポイント​
​1.ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズムが出現したら一旦中止​
ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズム(振戦、易転倒、歩行不安定)にも注意が必要であり、症状が出現した場合はドネペジル中止します。2週間以上経過してから必要に応じてリバスタッチ4.5mgを開始します。レビー小体型認知症(DLB)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患は薬物過敏を伴うためリバスタッチは9mgで維持します。この方の場合、ドネペジル5mgは過量であるものの、認知機能改善に効果があると判断したためドネペジル5mgから2.5mgへ減量しました。2週間後、パーキンソニズムが軽減したものの継続しており、ドネペジル2.5mgから1.25mgへ更に減量しました。
​2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療​
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。
​3.味覚低下または亜鉛欠乏症​
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。




知り合いからの紹介である。既往歴:H24左変形性股関節症、はちや整形外科。種田クリニック①ベタニス50mg②アバプロ100mg③アムロジピン5㎎④エディロール0.75μg⑤ボナロン35mg。物忘れ、易興奮、被害妄想、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にアバプロ100mgから50mgへ減量、プレタール50mgを開始、赤ミミズエキス1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近2時記憶3/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL181,Zn69,Ferritin25.9以外異状なし。VitB1=30,VitB12=660,葉酸=8.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。
​治療のポイント​
​1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療​
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。
​2.プレタール先発品:認知症改善効果​
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
​3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療​
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。
​4.味覚低下または亜鉛欠乏症​
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。





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Last updated  Jun 18, 2023 04:03:27 PM
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