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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Feb 25, 2024
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​ひな祭り​
ひな人形を出して飾りました。妻が巻き寿司を作ってくれました。末娘が15歳になり、ひな祭りを祝うのも後何回あるのだろう。

ひな人形@自宅

​花粉症に一番効くことは?​
​2006年アメリカから帰国後、急に花粉症を発症​
筆者はアメリカから帰国後、花粉症を発症しました。アレルギー性鼻炎には抗ヒスタミン薬と抗アレルギー剤であを併用していました。アレルギー性結膜炎には抗アレルギー剤点眼およびステロイド点眼を併用していました。
​グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットで花粉症が完治​
驚くことにグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを開始してから、数週間で徐々に改善して、翌年には花粉症は完全治癒、抗アレルギー薬および抗ヒスタミン薬を中止することが出来ました。頭の上の曇りがとれた感覚があり仕事効率もアップ、運動後の倦怠感もなくなりました。
​グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットで改善または治癒する病気​
過敏性腸症候群(IBS)、アレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、薬物アレルギー、食物アレルギー、じんましんなど)、発達障害(注意欠陥多動性障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)など)、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)など)、神経難病(アルツハイマー型認知症(AD)、レビー小体型認知症(DLB)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)など)は、腸漏れ(リーキーガット)症候群が原因で引き起こされることがわかってきています。小麦に含まれるグルテンや乳製品に含まれるカゼインが腸漏れ(リーキーガット)症候群の原因と考えられており、小麦を取り除いたグルテンフリー(GF)ダイエットおよび乳製品を取り除いたカゼインフリー(CF)ダイエットを積極的に指導しています。
​生理食塩水による眼球および鼻腔洗浄により花粉除去は継続​
生理食塩水をスプレーに入れて持ち歩いています。生理食塩水による眼球洗浄により眼球から花粉を除去し、生理食塩水が鼻涙管を経由して鼻腔内洗浄も出来、数分後に鼻をかむことで花粉を鼻腔から取り除くことが出来ます。
​筆者によるケトジェニック・グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエット実践の成果​
筆者もケトジェニック(低糖質)ダイエット(1年以内)により10kgの体重減少、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを実施することで、花粉症は完全治癒したのです。筆者はGF・CFグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを5年間継続して益々健康になっています。是非、皆さん、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを実践して健康になりましょう。

ドクターイワタの認知症治療 二刀流
​​​​~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名​~​​​

認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。

​問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。

​新患予約サイト​​​​
​​​​​​​​​
認知症専門往診 施設リスト​​
​定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。​まずは​​​​認知症/発達障害専門外来  新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。

​症例報告​


知り合いからの紹介である。既往歴:R4/10ドネペジル3-5mg、ひできゆかりクリニック。緑ヶ丘ファミリークリニック①ジャヌビア50mg②フォシ-ガ5㎎③酸化マグネシウム④センノシド12㎎⑤ドネペジル5㎎⑥ブロプレス2㎎⑦エゼチミブ10㎎。物忘れ、昼間傾眠、尿便失禁、病識欠如、歩行不安定を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞軽度。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶3/6と高度低下していた。認知機能低下にドネペジル5㎎/ブロプレス2㎎/エゼチミブ10㎎中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+4)、近時記憶3/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.6,BUN28.0,Alb3.8,GOT34,GPT45,TCL178,TG185,Zn66以外異状なし。VitB1=43,VitB12=444,葉酸=9.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。
​治療のポイント​
1.ドネペジル5mgの効果がない場合は一旦中止
前医からドネペジル3-5mgが出ている状態で外来受診された場合は、ドネペジルに治療効果があったかを家族に確かめる必要があります。治療効果がなかった場合は、一旦中止してみることも大切な選択肢です。アセチルコリンを介する抗認知症薬はレミニール、リバスチグミンテープという選択肢もあるからです。抗認知症薬を変更する場合は、最低1週間程度の休薬期間を設けるとよいことが報告されています。
2.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。
3.スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。
4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
5.中性脂肪高値/成人型糖尿病
糖尿病にも成人型自己免疫糖尿病が報告されていますhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32498935/。成人型2型糖尿病はリーキガット症候群により膵臓インシュリン産生細胞に対する抗体が生じて糖尿病を発症すると考えれます。当クリニックでは糖尿病患者にグルテンフリー実践を指導しています。リーキガット症候群を考えて同時にカゼインフリーも指導しています。グルテンはモルヒネに似た構造をしており、中毒性があるため食欲を抑えず楽なります。グルテンはアミロペクチンAという血糖値を上昇させる成分も入っています。グルテンフリーの食事ならアミロペクチンAの摂取量も抑えられます。血糖値への影響が少ないグルテンフリーは、糖尿病患者さんには非常に適した食事法なのです。グルテン(小麦粉)食、たとえば、朝がパン食、昼夕が麺食という方が中性脂肪が上昇、脂肪肝、皮下脂肪貯留、後にHbの糖化が起こり、HbA1c上昇=糖尿病となるのです。糖尿病の方に認知症の方が多いというのは、グルテン過多の方がリーキガット症候群となり、自己免疫疾患である糖尿病と認知症を合併するのは必定なのです。当クリニックではグルテンフリー食を勧めていますが、糖質制限食は勧めていません。糖質制限を1年以上続けると寿命を短くするという論文報告があるからです。日本の旅館のような食事、朝食であれば、白米、味噌汁、納豆、卵、鮭、海苔というような食事、朝昼夕食すべて白米と高タンパク食(肉、魚、卵、大豆)を中心に摂取するように勧めています。
6.低アルブミン血症に対する治療
低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。
7.味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。


インターネット検索で来院された。既往歴:H25心筋梗塞、ステント留置術、愛知医科大。くりた内科クリニック①タケルダ②クレストール2.5mg③メインテート2.5mg④ワーファリン1.75mg⑤カナリア⑥シュアポスト1.5mg⑦ベシケア5mg⑧ロトリガ2g⑨レミニール8mg。物忘れ、食慾低下、膝組みを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下にタケルダ/クレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+2)、近時記憶3/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c8.4,s-Cr0.9,eGFR44.8,Alb3.9,TCL192,Zn66以外異状なし。VitB1=31,VitB12=548,葉酸=10.1。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。認知機能低下に対してメマンチン5mgを開始した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2)、近時記憶4/6(+1)と更に軽度改善した。
​治療のポイント​
1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止
プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。
2.スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。
3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
5.シトルリンによる腎不全に対する治療
シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。
6.味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
7.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬
メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。


友人からの紹介である。既往歴:H27肺炎、公立陶生病院。山手クリニック①ブロブレス2mg②アムロジピン2.5mg③リピトール10mg④セファドール75mg⑤セロクラール20mg。物忘れ、易興奮、帰宅願望、被害妄想、鬱状態、甘い物好きを呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。BP131/72。認知機能低下にブロプレス2mg/リピトール10mg/セファドール20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。18日後、中核症状は改訂長谷川式:12/30(-7)、近時記憶3/6(+-)と著明悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL213,TIBC248,Hb11.9,Zn69以外異状なし。VitB1=29,VitB12=282,葉酸=11.8。BP136/66。認知機能低下にアビタミンB12低下症にメコバラミン1mgを開始した。認知機能低下にアムロジピン2.5mg/セロクラール20mg中止、脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+10.5)、近時記憶5/6(+2)と著明改善した。パーキンソン症候群にパーロデル0.625mgを開始した。7か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+1.5)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善した。
​治療のポイント​
1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。
2.スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。
3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
5.プレタール先発品:認知症改善効果
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
6.ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
7.パーロデルによる認知症治療の可能性
アルツハイマー病患者さん由来iPS細胞を用いた化合物スクリーニング系を構築し、アルツハイマー病の病因物質のひとつである、アミロイドベータ(Aβ)を減らす事ができる既存薬の組み合わせ(カクテル)を見出しました。Aβを標的とするアルツハイマー病の薬物治療においては、発症前から長期間の投薬が必要と考えられています。そこで、すでに市場で長期間の安全性に関する情報が整備されている既存薬のスクリーニングを行いました。スクリーニングの後、効果のあった化合物群をケモインフォマティクスにより分子構造式の類似性にもとづいて分類し、相乗的な組み合わせ(カクテル)を見出しました。同定した既存薬カクテルは、家族性アルツハイマー病及び孤発性アルツハイマー病の10余名の患者さんのiPS細胞から分化誘導した大脳皮質神経細胞においてAβの減少効果を示しました。ブロモクリプチン(パーロデル)、クロモリン(インタール)、トピラマート(トピナ)の3種類の組合せ(BCroT)において最もAβの低減効果が高まることがわかりました。さらにこのBCroTの組み合わせにおいても、用量依存性の効果が明確に見られました(Cell Rep. 2017 Nov 21;21(8):2304-2312)。既存薬であるパーロデルはパーキンソン症候群に対して保険適応があります。従って、パーキンソン症候群を呈する患者に対してのみ投与可能です。


グループホームからの紹介である。既往歴:中根クリニック①ドネペジル3-5mg→症状悪化のため仁大病院精神科①ドネペジル5mg②加味帰脾湯③デエビゴ5mg④リーゼ5mg。たいや内科クリニック①アマリール0.5mg②ユリーフ8mg③トラゼンタ5mg。 物忘れ、多動、徘徊、介護抵抗、被害妄想、夜間せん妄、夜間不眠、R5/1背部痛、生真面目、薬物過敏、語義失語を呈していた。多動のため診察室で椅子に座らず歩き回っていた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:6、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/注意欠陥多動障害(ADHD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:不可、改訂長谷川式:不可と高度低下していた。多動、徘徊、介護抵抗に対してドネペジル5mg中止、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)/被害妄想にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。不定愁訴にサインバルタ20mg、夜間せん妄に加味帰脾湯/デエビゴ5mg/リーゼ5mg中止、ロゼレム4mg/リボトリール0.125mg/レンドルミン0.125mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、甲状腺正常。一般採血:HbA1c9.1,Alb3.3,TCL140,TIBC230,Hb10.3,Zn53以外異状なし。VitB1=21,VitB12=294,葉酸=13.1。ビタミンB12低下症にメコバラミン1mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、改訂長谷川式:11/30、近時記憶2/6、上記周辺症状はすべて消失して、非常に穏やかに過ごしている。
​治療のポイント​
1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止
ドネペジル5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。
2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
4.せん妄に対する治療
夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。
5.ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
6.味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。


知り合いからの紹介である。既往歴:瀬戸みどりのまち病院内科①ソラナックス0.4mg②抑肝散2.5g③メチコバール1μg④ベルソムラ15mg⑤ソラナックス0.4mg。物忘れ、昼間傾眠、尿便失禁、意識消失発作、鬱状態、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他  右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:1、側頭葉てんかん(TLE)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。側頭葉てんかんにデパケンR200mgを開始した。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(-1.5)、近時記憶1/6(-1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL153,Zn69以外異状なし。VitB1=36,VitB12=521,葉酸=3.0。側頭葉てんかんにデパケンR200mgから400mgへ増量した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2.5)、近時記憶2/6(+1)。デパケンR400mgから800mgへ増量した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:17/30(-3)、近時記憶2/6(+-)。デパケンR800mgからイーケプラ1000mgへ変更した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(-2)、近時記憶1/6(-1)。ふらつきのためイーケプラ1000mgからデパケンR400mgへ戻した。認知機能低下にメマンチン5mgを開始した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+-)、近時記憶3/6(+2)。ビムパット錠100mgを開始した。5か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+6)、近時記憶4/6(+1)。ビムパット100mgから200mgへ増量した。
​治療のポイント​
1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
2.側頭葉てんかん(TLE)に対する治療
65歳以上の6%に見られる高齢者てんかんです。高齢者ドライバーの事故原因の一つと考えられています。けいれん発作はなく意識を失っても倒れない発作なので見逃しがちです。数十秒か数分経つと何事もなかったかのように動き始めますが、意識がなかった間のことは何も覚えていません。意識が戻ってからも数分から数時間、ぼうっとして目の焦点が合っていません。急に怒りっぽくなり、意味もなく声を荒げることもあります。そして状態の良いときと悪いときがはっきりしています。てんかん発作中は認知症に似た症状になりますが、認知症との大きな違いは抗てんかん薬(デパケンR100-200mg/イーケプラ250-500mgなど)投与により治癒することです。側頭葉てんかん(TLE)は治すことが出来る認知障害を伴う疾患と言い換えることが出来ます(参考文献:高齢者てんかんのすべて、久保田有一著)。ビムパットは単剤で効かないてんかんに対して50-100mgから追加投与します。
3.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬
メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。





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Last updated  Feb 25, 2024 11:40:06 PM
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