シェフの落書きノート

昨日、テレビを観ていたら
朝限定で販売している飲食店を紹介していた。

その中に「朝限定・食べ放題」をやっているパン屋さんが紹介された。
店主： 「510円！これが限界なんです！」

どうやら、510円で作ったパンを食べ放題できるらしい。

客： 「こんなお店ないよね～♪ 最高です！」
リポーター： 「何個、たべましたか？」
客： 「40個、まだいけるかな...(笑)」

呆れる(笑)
節度というものがない。
図々しいというか、そんな店がやたらあるわけがない。
やめたほうがいい。
手作りで手間が相当にかかるパンを大盤振る舞いしても来るのは、常識はずれの卑しくさもしい輩が多いことだろう。

ひとつ 200円弱で売れるようなちゃんとした惣菜パン
食べ放題以外の時間帯にも来てくれるなら、やっていることも宣伝として成り立つが、あの調子では朝の食べ放題以外の時間帯には来ないだろう。
そんなことをするなら、医療従事者や困窮している人に無料で配ったほうが、あとで見返りも期待できそうな気もする。

この長い長いコロナ禍での戦いで切羽詰まることも多いと思う。
お客様の目を真っ直ぐ見て、できることを頑張って
少しでも皆に笑顔になってもらえるように心をこめて取り組んでいれば、この長いトンネルを抜けることができると思う。

「これが限界です」
なんで安さにこだわるのか？
510円が限界なら、限界ではない価格をつければ良いのに...
と思うが、その店の条件や考え方を知らずに安易には言えないか....。

うちは、「食べ放題」はやらない。
昔、ランチをやっていた頃、「ご飯おかわり自由」というのをやっていた。
ランチの開店と同時に入ってくる4人のサラリーマンに１回目に炊いて用意したご飯をすべて食べ尽くされた。
オープンからたった10分～15分の間に...
炊きたてを提供したかったので、次に炊けるご飯は10分後
本当に困り果てた (・・;)
これが３日間続いた。
いつも同じ人間が同じことをする。
その後の人の分がなくなろうが関係なく、一向に気にしない。
お替わり 100円にしたところ、その4人は来なくなった(笑)
その業界で世界No.2の業績を上げる外資の会社の社員である(笑)

うちも飲み放題をやっているけれど...
うちのセッティングを本当に楽しめる人は、どのくらいいるのだろう...と、ふと思うこともある。
「飲まないと損しちゃう」
損得でうちの店を使っているのなら、愛されているわけではなさそうだ(笑)

自分の身の丈にあった遊び方や楽しみ方ができる大人が少なくなった💦
そう痛感する今日この頃です。