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2020年12月23日
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カテゴリ:牧場
ばん馬の牧場では夏の間、繁殖牝馬を広い放牧地で過ごさせることがよくあります。
詳しくは以前の記事をご覧ください。
ばんば牧場便り【 Vol.26 】夏の放牧
夏に放牧するということは、冬が近づくと馬たちは牧場に戻ってきます。
と書くと簡単なことのように思えますが、想像してみてください。広い広い放牧地にいる馬たちを集めて、1頭1頭馬運車に乗せるということを…
サラブレッドのように、毎日馬房と放牧地を行き来していれば、ある程度慣れもあるかもしれませんが、年に1回、野生に近づいた馬たちの収牧がどれだけ大変なことか。しかも子馬は成長しています。

山々も冠雪。中央の噴煙が上がる山は雌阿寒岳。
11月のある日、馬運車が放牧地にやってきました。
馬を預けている牧場の方々と、またお手伝いとして舘澤騎手が登場です。牧場の方にも「助かるわぁ」と言われていました。
まずは、馬を水飲み場があるところに追い込むそうです。
馬たちは、山の中腹で固まっていました。
人間を見つけて、わらわらと集まってくる馬たち。
……と思っていたら、そのうち山の一番上に行ってしまいました(汗)。
あらためて、20頭近くいる馬の中から、ボスに君臨している馬を捕まえて引っ張っていきます。
一度馬を間違えてしまって引っ張ったら、馬はばらばらになってしまったそう。ボスってすごい統率力…




馬は人に引かれて、ゆっくりと戻ってきました。
そろそろ家に帰るってわかるのかな? 我先にと走る馬たち。






そのうちみんな水飲み場に集合。すごい。
柵を立てて、外に出ないようにします。


ここでは、ラッセルクインやヤマトジャパンなどの母・良姫とマサタカラの母エポナビューティーがボスとのこと。
舘澤騎手は騎乗したこともあるエポナを「愛馬。」となでなでしていました。


左がエポナビューティー
ばんえいの世界では、小さめの放牧地のことを「ちゃつ」といいます。何語かも漢字もよくわからない独特の言葉。
通路のような道を通り、馬たちをちゃつに入れて、ここから馬を引っ張り馬運車まで連れていきます。
みんなちゃつに入ってる。戻れるってわかっているのかなぁ。




馬運車まで引っ張っていく前に、馬の頭に無口頭絡をつけることが必要。そうしないと馬を捕まえられないですからね。
親は比較的すぐできますが、子馬は難しい。
そのため、この枠「地獄」に入ってもらい、無口をつけます。


右の枠が「地獄」
入れるの大変だろうなと思っていたら、子馬はなぜか自分で入っていくんです(笑)
ちなみにこのような放牧地は基本的には牛用。地獄などの設備も牛用です。
周りを囲って無口を付けて、手前のドアをオープン!


それからは、馬運車に乗せるという苦労が待っています。




「一回乗ったべや」「みんな乗るんだって、おまえだけじゃないんだって」とかなだめながら馬を入れていきます。


途中で引き手が外れた子もいましたが、お母さんに付いていってました(笑)
なんやかんやありながら、無事みんな馬運車に乗り、牧場へと帰っていきました。


「今日は思ったより早く済んだ!」と牧場の方。
この牧場ではまだしばらく親子一緒に過ごしますが、牧場によってはこのタイミングで離乳させるところもあります。
十勝は馬を下げるのは10月末~11月ころですが、暖かい道南は12月まで馬を置いておくそうですよ。


取材/小久保友香・小久保巌義                





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最終更新日  2020年12月23日 17時20分07秒



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