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細木数子の番組を見ていると、まわりの芸能人が彼女を先生と祭り上げて、彼女のお説教に対していちいち頷いたり驚いたり感心したりしている。また観客もすっかり彼女のいうことに納得して感心している。そしてゲストの芸能人が自分の将来について彼女のお言葉を求めるという構成になっている。まるで彼女が教祖となって新興宗教の集会でもやっているような雰囲気である。ただ彼女の場合あくまでも占いといういわば毒にも薬にもならないポジションからブレないところがミソで、最終的には娯楽番組というレベルに落ち着かせているところが安心して見てられる理由かもしれない。
戦後の人権教育、民主主義教育の弊害が目立ちだした現在にあって彼女の主張は確かに受け入れられやすいという面もある。「謙虚に、礼儀正しく、男は男らしく女は女らしく、先祖を敬え」これらが繰り返し出てくるのだが、考えてみれば日本で昔から徳とされていた事柄ばかりであある。それらが新鮮に聞こえるような時代になってしまったということだろう。 しかし無条件に細木数子の説教に感動している芸能人や観客をみていると、「お前ら今まで何を考えて生きてきたんだ?」という疑問も湧いてくる。日本には道徳の基盤となる宗教が無いこともあって生き方の根底となる哲学というか価値観を持つ人間が少ない。戦後は国家神道や武士道といったものが徹底的に否定され、それに変わるものが無いままひたすら経済的な繁栄を目指してきたが、物質的に豊かになってみると実は頭の中に何も無かったということだろう。だからあれだけ彼女の説教に感動できるのだと思う。これは見方を変えればどうにでも転べる危うい人間が多いということでもある。オウム真理教や法の華などのあやしい宗教が幅をきかす土壌はこういうところにあるような気がする。危うい人は細木数子あたりに頭の隙間を埋めておいてもらうのがちょうどいいのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.25 14:56:11
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