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2007.12.25
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カテゴリ:カテゴリ未分類
薬害肝炎患者一律救済が政治主導によって行われることになった。
新聞やテレビの報道を見る限り、肝炎患者一律救済を渋っていた国側=悪玉という図式のようで、あまり深い考えも無く報道しているように思える。
原告の方々の気持ちは十分に理解できる。線引きによって自分達だけが助かるのを潔しとしないという気持ちも立派である。心情としては応援したい。

しかし現実に一律救済することの問題点は、あまりマスコミは語ろうとしない。投与時期による線引きというのは理不尽な様ではあるが、「国の責任」を追求するというのであれば、国がフィブリノゲン製剤による肝炎の危険性を知り得たのに製造販売を承認していたという時期に責任は限定されるのでは無いだろうか。

1985年以前に製造されたフィブリノゲンについては、BPLによる処理がなされており、C型肝炎ウィルスは不活化されていたとのことである。また時期が遡るほど、輸血による感染のリスクも高かったといわれており、出血が止まらない状態では輸血もフィブリノゲン投与も同時に行われているため、因果関係がはっきりしなくなる。
裁判が証拠主義に乗っ取って行われる以上、国の責任にどこかで線引きが行われるのは避け難い部分もある。

個人的には、C型肝炎は難病だから国の責任が問えない時期の患者であっても治療費を公費で補助しようというのなら大賛成である。
しかし今回のように、時期を問わず国の責任だからという論法で一律救済を認めてしまうと、新薬の承認が将来に渡ってかなり困難になる可能性がある。
新薬には、実際にある程度の期間使用してみて初めてわかってくる副作用があるということがめずらしくない。危険を知り得た時点で行動を起こさなければ国の責任だが、それ以前においても責任を取らなければいけないとなると、事実上新薬の承認は不可能になる。

一方で、外国で効果の認められている抗がん剤を日本でも早く認可して保険が適応できるようにせよなどとマスコミは平気で言う。なんと無責任なことか。


なお、ウィキペディアの「フィブリノゲン問題」を見てみると、
出産の時の大量出血の際、輸血が間に合わず妊婦が死亡したことで起こされた民事裁判で、「フィブリノゲン等を投与するなど、適切な止血措置を執らなかった」ことを理由に産婦人科医の過失を問う判決が出たことが産科の現場でフィブリノゲンの使用に拍車をかけたらしい。





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Last updated  2007.12.25 23:47:20
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