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カテゴリ:産婦人科医療
癒着胎盤の頻度は、本によって記載が異なるが、1万~2万分娩に一例と非常に稀な疾患である。例えば年間200例出産に立ち会ったとして、1例遭遇するのに50年もかかるのである。要するに産婦人科医が一生出産を扱っていて1回遭遇するかどうかという疾患なのである。おそらく経験したことが無い医師の方が圧倒的に多いと思われる。しかも出産前に診断することは不可能ときている。
この点から「被告医師は癒着胎盤の症例を経験したことが無いのに手術を行った」点を過失とする検察の主張はいいがかりに近い。 笑えることに(笑ってもいられないが)、検察側が立てた鑑定人(傍大学産婦人科の教授)からして癒着胎盤の執刀経験が無いことを認めているのである。(ずいぶん前に助手として手術に立ち会った経験があるのみ) そんな鑑定人に、被告医師の過失を認めさせるような鑑定をさせているのだから笑止千万と言うほか無い。 まあ、いくら我々が吠えたところで、世間から見れば同業者のかばい合いと見られるのがオチだが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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