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2015年06月20日
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カテゴリ:歴史認識
 沖縄県民の間に少しずつ広がり始めた日本国からの分離・独立について、哲学者の内山節氏は、5月10日の東京新聞に次のように書いている;


 辺野古の米軍基地建設の動きをみていると、状況に変化が芽生えつつあるような気がしている。というのはこの問題をめぐる切り札を、沖縄の人々がもちはじめたのではないかとも感じられるようになってきたからである。

 基地建設を進める政府の切り札はお金でしかない。沖縄の振興予算をつけるとか、逆に予算面で追い詰めるとかである。これまではそれが切り札としての役割を果たしてきた。ところが予算面で希望がかなえられなくなっても構わないという雰囲気が広がってしまえば、それは切り札としての役割を果たさなくなる。

 ところがいま沖縄では、じわじわと沖縄独立論が広がってきたのである。独立してしまえば、沖縄は日米安保条約の適用外だ。つまり全基地の撤去を要求できることになる。沖縄が独立する現実的な方法があるのかどうか、また独立後に単独国家としてやっていけるのか、そういうことが議論に上がるようになってきた。もしも独立されれば日本は沖縄を手放すことになるのだから、政府としては認めがたい問題だろう。そうである以上独立論が広がっていけば、それが切り札になってしまう。本当に独立するかどうかは別として、そういう意見をもつ人々がふえていくと、政府はこれまでのような高飛車な態度はとれなくなるのである。

 振り返ってみれば、かつて沖縄は独立した琉球王国だった。沖縄の人々は遺伝子的には日本とのつながりが深いという研究もあるが、琉球王国は1429年に成立している。1609年に薩摩の侵攻を受け、江戸時代は薩摩の従属下にある独立国という立場だった。最終的に日本に併合されたのは、明治時代の1879年である。

 沖縄は日本の時代よりも独立国の時代の方がはるかに長いし、独自の文化や言葉をもっていた。

 20年ほど前に東北のある村長と話をしていたとき、その村長は「不可能なことを承知で願望を述ベさせてもらえば、江戸期の幕藩体制の時代に戻りたい」と話してくれたことがある。その頃は江戸=東京に村が従属することはなかった、という意味である。自分たちで自分たちの世界をつくることができた。地方創生とは、国のメニューに従って地方や地域をつくることではない。地方や地域が自立性をもち、独自の地域を創出していくことである。国の方針に従っていくうちに地域が衰弱していった明治以降の歴史を、どのようにして変えていくのかがここでは問われている。

 地方が力をもつということは、独自の考えや方針で地方、地域がつくられていくということであり、それは一面では国と地方との間に新しい緊張感が生まれるということでもある。ときに国と地方との間に対立が生まれ、ときに協力関係を結ぶ。そういう自立的な力を地方がもちながら、独自の地方を創生していくことが本物の地方創生である。

 とすると今日の国と沖縄の関係は、いま国が掲げている地方創生が本物なのかどうかを見極める試金石なのかもしれない。沖縄の人たちがつくろうとしているこれからの沖縄を尊重することなくして、地方創生などあり得ない。独立論が芽生えてくる背景にあるものは、基地問題だけではなく、国と地方の関係の問い直しでもある。
(哲学者)


2015年5月10日 東京新聞朝刊 12版 4ページ「時代を読む-沖縄独立論という切り札」から引用

 戦後70年間、沖縄の人たちは東京の政府の言うことを聞いていればやがては良くなると信じてこれまでやってきたと思いますが、既に結果は出ており、東京の政権は沖縄の米軍基地を永久的なものにするつもりのようです。一方、沖縄はもともとは日本や中国、朝鮮と適切な距離を保って平和に何百年も暮らした実績もあるのですから、軍事基地を押し付けられて我慢しなければならない理由はどこにもありません。沖縄の経済は米軍でうるおっているというのは真っ赤なウソで、沖縄県民の総所得に占める米軍からの収入は1割にも満たないのが現実で、基地負担に対する東京の政府からの交付金も沖縄の経済を活性化する効果は乏しく、沖縄経済の最大の問題は米軍基地の存在が経済活動を妨げていることです。したがって、沖縄が昔のように発展するためには米軍基地の撤去はどうしても必要なことであり、東京の政府に基地撤去の方針がない限りは独立するしかないという結論にならざるを得ません。沖縄独立というと、独立したとたんに日本の自衛隊が占領するとか米軍が制圧するとか、中国に占領されるだろうなどと言い出す人々もいますが、これからの時代は国際世論がそのような暴虐を許しません。だから世界最強の米軍でも、ベトナムでは負けたしアフガン、イラクを未だに占領もできなければ混乱の収拾もできていない。軍事予算を増大させて人目を引く中国でさえ、フィリピン占領はおろか尖閣諸島にも手は出せず、南シナ海の岩礁を埋め立てて滑走路を作るなどというケチなことをやるのが精一杯、これが現状です。強力な軍隊を誇る英国でさえ、スコットランド独立論に対し軍隊による威嚇はできなかったのですから、沖縄県が公式に独立を検討し始めても、誰もそれを止めることはできません。これからは、そういう時代です。むしろ積極的に独立を支援しようという心ある日本人は少なくないと思います。






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最終更新日  2015年06月20日 21時06分17秒
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