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2020年01月08日
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テーマ:ニュース(99376)
カテゴリ:ニュース
加計学園問題が持ち上がった時に杜撰な文書管理を批判された安倍政権は、その後、公文書管理ガイドラインを改定したはずであったが、実はこの改定には「落とし穴」があって、最近は公文書が作成されず、首相官邸と各省庁との打合せ内容は全て闇の中に葬られており、これはもう民主主義ではないと、毎日新聞・大場弘行記者が12月26日の同紙で訴えている;


 「霞が関には闇から闇に消える文書がある」

 2017年の春、こんなミステリアスな話を官僚OBから聞いたのがきっかけだった。私は同僚と「公文書クライシス」取材班を発足させた。2年以上に及ぶ取材で見えたのは、あらゆる手段を使って記録の公開を避けようとするすさまじい隠蔽(いんぺい)体質だった。

 私たちの取材に、20人近い現役官僚が重い口を開いた。彼らが明かした公文書を隠す手口は大胆かつ巧妙だ。

 表に出したくない記録があれば、業務で使っている明らかな公文書であっても、「個人のメモだ」と言い張って情報公開請求の対象から外す。近年は電子メールで重要なやりとりをし、それが残っているのに「メールは電話で話すのと同じだ」などという理屈で公文書にはしない。ウェブで公開されている公文書ファイルの名称をわざとぼかして国民に中身を知られないようにもしていた。

 こうした実態を知るうち、最も重要であるはずの首相の記録が残されているのか私は不安になり、調べ始めた。

◆首相発言記録 事実上禁止に

 首相は官邸で省庁幹部と頻繁に面談する。報道機関が取材で特定できた面談者は「首相動静(毎日新聞は『首相日々』)」として伝えられるが、面談内容が明らかになることはほとんどない。

 ただ、国の公文書管理ガイドラインは、重要な打ち合わせをした場合、日時や参加者、やりとりの概要を記録するよう義務づけている。検証に必要な記録が省庁に残されていなかった加計学園問題の教訓を踏まえ、17年12月に新たに盛り込まれた規定だ。この件で友人に便宜を図ったのではないかと疑われた安倍晋三首相は「公文書管理の質を高める」と国民に約束もした。

 そこで、私はガイドライン改定から約1年の間にあった首相と省庁幹部の打ち合わせについて、その記録を首相官邸に情報公開請求してみた。

 すると官邸は「政策を担当する省庁側が必要に応じて作成すべきものだ。官邸では作っていない」と回答した。それならばと、重要と思われる面談を抽出して省庁側にも請求したが、記録が残されているケースは確認できなかった。

 驚いたのは、首相の下で重要政策や大規模災害対応を担当する内閣官房が1年間を通じて70回以上、首相と面談をしていたのに、打ち合わせ記録を一件も作っていなかったことだった。

 未作成の理由は「記録が必要な打ち合わせがなかった」と説明されたが、真相を省庁幹部らから聞いて耳を疑った。「官邸は情報漏えいを警戒して面談に記録要員を入れさせない」「面談中にメモを取ると注意される」。首相が発言したことの記録が事実上禁じられているのだ。

 こうした証言を報じると、菅義偉宣房長官は記者会見で「ご指摘のような事実はない」と否定した。その菅氏も内閣官房と約1年の間に150回以上も打ち合わせをしていたが、記録は一件も作られていなかった。官邸はあえて記録を残していないと疑わざるを得ない。

 なぜこんなことがまかり通るのか。背景に、改定された公文書管理ガイドラインの「抜け道」が見えてきた。ガイドラインは記録が必要な打ち合わせを「政策立案の方針などに影響を及ぼすもの」と定義している。つまり、影響を及ぼさないと判断したものなら記録を残さなくていいとも解釈できる。前述した「記録が必要な打ち合わせがなかった」という内閣宣房の説明は、そういう意味だ。

◆裁量余地あれば、やすきに流れる

 実はガイドラインの改定直前、原案に対して、この部分の定義があいまいなため職員が記録を作らない恐れがあるとの指摘が、省庁からガイドラインを所管する内閣府に相次いで寄せられていた。内部資料に記された国土交通省の担当者の指摘は率直だ。「規則の運用に裁量的な余地がある場合、やすきに流れるのが普通だ」

 内閣府は省庁からのこうした指摘を聞き入れず、改定内容を審議した「公文書管理委員会」の有識者委員にも伝えなかった。最初から省庁に記録を作らせるつもりがなかったと思えてならない。実際、昨年発覚した毎月勤労統計の不正問題では、厚生労働省が対応を決めた際の打ち合わせ記録が1件しかなかった。それも国会で野党から指摘されて2ヵ月後に渋々作ったものだった。延べ2000万人以上の保険給付に影響した不祥事の記録すら残っていない事実は、公文書未作成の常態化を強くうかがわせる。

 首相官邸を頂点に隠蔽体質が省庁に根を下ろしているように私には見える。「税金の私物化」と批判されている首相主催の「桜を見る会」の問題でも、首相に関する記録は「ない」と官僚が必死に繰り返している。問題の根源がどこにあるかは明らかだと思う。

 首相や政府高官らの面談記録がないことは、国民の運命を左右する事柄を、一部の権力者が外部から検証できないブラックボックスの中で決めていることを意味する。それは民主主義とは呼べない。この政権は公文書の意義を否定していると言わざるを得ない。


2019年12月22日 毎日新聞朝刊 12版 10ページ 「記者の目-もはや民主主義ではない」から引用

 公文書をしっかり保存しなかったことを批判されてガイドラインを見直すと聞けば、誰でも「公文書の定義」をはっきりさせたガイドラインを作り、今後はそれに従って業務を進めると理解するのが普通であるが、安倍政権の考えでは、そんな打合せの内容を公文書にしっかり残されては困るようなことばかりやってるので、故意に「記録が必要な公文書」の定義をあいまいにし、解釈の仕方によってはどんな文書も「記録は不要」と理解出来る余地を残しておけば、真面目な官僚も「易きに流れて」やがて誰も記録を取らなくなる、というのが安倍政権の「作戦」のようです。それでも、「これは重要な打合せだ」と思ってその場でメモを取り出す官僚に対しては「そんなことは止めなさい」とメモを禁止する。こうなっては、もはや民主主義ではないという「警告」が出るのも無理ない話で、国民はこういう事態を重く受け止めるべきです。





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最終更新日  2020年01月08日 01時00分07秒


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