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2020年03月14日
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テーマ:ニュース(99444)
カテゴリ:ニュース
全国の学校を一斉に休校したのに、一向に収束の目処が立たない新型コロナウイルス騒ぎについて、東京大学教授の宇野重規氏は2月23日の東京新聞に、次のように書いている;


 新型コロナウイルスの猛威がとどまるところを知らない。日本でも複数の経路からの感染が認められ、水際での封じ込めには失敗したと言える。東京マラソンについて、一般ランナーの参加枠の取りやめが決まったとの報道があったが、これからも各種イベントの中止が相次ぐだろう。一日も早く終息のめどがつくことを願うばかりである。

 この事態を受けて、思い出した話がある。もう何年も前だが、災害対応の経験を豊富に持つ自治体首長の方から話をうかがったことがある。

 その首長がまず指摘したのは、「危機を管理する」という発想そのものが、人間の傲慢(ごうまん)さを示しているということであった。「危機管理」という言葉には、危機は予測可能であり、ゆえにコントロールできるという発想が込められている。しかし、予測できない事態だからこそ危機なのであり、完全に予測することなどできるはずがない。

 それでは、予測しえない危機を前に、人間はただ無力なのか。そうではないと、その首長は言った。「危機を管理することはできないが、対応することはできる」。管理と対応はどう違うのだろうか。

 災害などの危機にあたって、その危機を完全に管理することはできないとしても、「追い抜かれない」ことが大事だという。言い換えると、初動において、なるべく「大風呂敷を広げる」ことが求められる。迅速に、可能な限りの対応を取るべきで、その決断が重要である。なるほど、多くの場合、そこまでの対応は不要だったという結果になるだろう。とはいえ、そのような対応は、来るべき大災害に対する良い訓練の場になる。

 逆に、初期の段階で小出しの対応をすると、危機が深刻だった場合、取り返しがつかないことになる。いったん後れをとると、対応は後手後手になり、災害に「追いつく」ことができないからだ。また、危機には「運命」があり、同じ時期に他の問題があると、そちらに関心が移りやすい。えてして対応が遅れるのは、そのようなときだという。

 危機に備えるためには、地理の勉強が必要という話も印象に残った。過去の歴史から学ぶというのは想像がつくが、「地図を読め」という指摘は面白いと思った。危機が起きたとき、その規模感や距離感が直感的に把握できることが大事であるという趣旨であろう。含蓄のある話だ。

 その意味でいうと、どうやら今回の新型コロナウイルス危機について、政権は初動を誤り、出遅れ、危機に「追い抜かれて」しまったと言われても仕方がない。その後の対応も小出しのものが多く、時間を浪費してしまった。「大風呂敷を広げる」決断がつかなかったのである。あるいは最初の感染が中国の武漢で起きた際、すぐに日本にも余波があるはずという地理感覚が働かなかったのかもしれない。他に気になる問題があり、対応に集中できなかったとすれば論外である。いずれも先人の知恵から学ぶことが不十分だったことを示している。

 さらに悪い予測を書かざるをえない。日本に多い対応は、初動を誤り、小出しの対応に明け暮れ、それがある一線を越えると急にパニックを起こすというパターンだ。過剰反応もまた、適切な対応の妨げとなる。これ以上の感染の拡大を防ぐべく、冷静な対応が必要である。求められるのは危機の哲学である。
(東大教授)


2020年2月23日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-危機に備える哲学」から引用

 新型ウイルスの流行に対する政府の対応は素人目にも対応が遅く、何か対策をしているのかなあと思っていたところ突然全国一律に学校を休校にするように総理大臣が要請するなどというニュースが飛び出して、その翌日には、実はウイルスの専門家に相談したわけでもなく、教育行政全般を司る文部科学省からは慎重対応を望む声があったのに無視して強行した安倍首相のスタンドプレイのような様相である。政府の無策に対しては安倍応援団の「ネット右翼」からも批判の声が上がり、安倍氏も慌てて百田尚樹氏と会食して、その翌日には韓国と中国から入国する旅行者には2週間の外出禁止期間を置くという方針が唐突に発表されて、これは遅きに失した感じで水際作戦としては完全に後手であることは素人にも想像がつく。上に引用した記事も指摘しているが、対応に集中できない案件が実は存在したために対応が遅れた可能性は確かに存在し、それは例の「さくら」問題である。普段から硝子張りの清廉潔白な政治家であれば、野党がどんなイチャモンをつけても公文書やホテルの領収書や、その他の証拠書類を国会に提出すれば、審議が紛糾することもなく、法務大臣も「地震がきたとき、検察官が理由も無く拘束者を釈放していの一番に逃げた」などと意味不明な発言をしないで済んだものを、この重大な局面でこういうことで揉める政権をどうするか、国民は決断を迫られている。





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最終更新日  2020年03月14日 01時00分06秒
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