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2021年08月18日
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テーマ:ニュース(99487)
カテゴリ:ニュース
「森友学園事件」に関する安倍晋三議員の疑惑を次々とスクープしたためにNHKをクビになったジャーナリストの相澤冬樹氏は、テレビの五輪報道について7日の東京新聞に、次のように書いている;


 新型コロナウイルスの感染急拡大の中で続いた東京五輪は8日閉幕する。異例の「祝祭」をテレビはどのように伝えたのか。NHK記者時代、「森友学園事件」のスクープを連発したジャーナリストの相澤冬樹さんが寄稿してくれた。


 数年後に振り返れば、東京大会は五輪史上の大きな転換点となっているかもしれない。スポンサービジネスを徹底した1984年ロサンゼルス大会を原点とする五輪の商業化は東京でついに一線を越えた。「命よりカネ」なのである。国際オリンピック委員会(IOC)の化けの皮がはがれたといえる。

 懸念されていた通り、コロナウイルスの感染者は急増し、猛暑で競技者の失神騒ぎまで起きた。それまでにも招致での贈賄疑惑、新国立競技場の建設-と問題が噴出し、あげく開会式直前に担当者の「いじめ自慢」や「ナチスのユダヤ人大虐殺揶揄(やゆ)」問題が発覚した。祝福されずに始まった五輪。誘致した安倍晋三前首相も大スポンサーのトヨタ自動車の豊田章男社長も開会式から逃げたのが、それを象徴している。

 罪深いのはテレビだろう。開幕後は手のひらを返したかのように「日本に金メダル!」とお祭り騒ぎ。「ニッポン、ニッポン」の連呼。見ている方が気恥ずかしくなるお国自慢だ。

 そもそも、テレビは五輪から独立した存在とはいえない。巨額の放映権料を払っている以上、このイベントを成功させなければ商売にならない。一蓮托生(いちれんたくしょう)なのだ。ネットの発達もあって若い世代を中心にテレビ離れが顕著になる中、スポーツという「筋書きのないドラマ」はテレビをアピールする絶好の機会でもある。

 選手に罪はない。技を磨き成果を披露する姿は人々を感動させる。それを伝えることもテレビの重要な役割だ。ただ、五輪という「お祭り」は長引くコロナ禍に鬱憤(うっぷん)を募らせた人々の憂さ晴らしの起爆剤となったようだ。国の感染対策失敗ゆえの五輪熱。それにテレビは相乗りした。そして祝祭に隠れた五輪の運営上の問題点を、開幕と同時にほとんど伝えなくなった。

 コロナ対策で各国選手団の行動を制限する「バブル方式」が採用された。日本での事前合宿はできず、毎日のPCR検査もあって選手は最終調整に難儀したはずだ。猛暑もある。海外選手には不利な条件で、とてもフェアとはいえない。

 もともとは「復興五輪」だったはずが、被災者は置いてきぼりだ。いまだに五輪どころではない原発事故の避難者もいるが、そちらに光は当たらない。

 五輪の輪の中にいる人たちは、水を差されることを嫌う。開幕後も続く五輪反対の動きに「何で目くじら立てるんだ」「反日なの?」といった言辞がネット上に拡散する。選手に対する誹謗(ひぼう)中傷は問題として報じられるが、反対者へのそれはスルー。というか、反対の動き自体がなかなかニュースにならない。それで誰が得をするのか?

 巨額の放映権料目当てでどうしても大会を開きたいIOC。五輪ムードで支持率をアップさせ総選挙に臨みたい政権。テレビはそのお先棒を担ぎ、不都合な事実は「なかった」ことにしているかのようだ。

 明日、東京大会は閉会式を迎える。お得意のイベントの一方で、テレビには五輪の闇を伝える責務がある。拡大したコロナ感染。開催しなければ救われた命はなかったのか。復興五輪の掛け声はどこにいったのか。ここまで無理をしても、開かなければならなかった理由はどこにあるのか――。五輪という強い光に隠されてしまった影に目を向けて報じなければ「命よりカネ」を追認したことになる。現場のテレビ局員は、それを分かっているはずだ。
(ジャーナリスト)


<あいざわ・ふゆき> 1962年、宮崎県生まれ。東京大法学部卒。87年、NHKに記者職で入局。大阪放送局勤務の2018年、国有地を不当に安く売った「森友学園事件」を取材中、記者職から外されて同局を退職。同年、同事件の取材を続けるために大阪日日新聞の記者に。 21年夏、同紙を退職。著書に「メディアの闇『安倍官邸VS.NHK』森友取材全真相」など。


2021年8月7日 東京新聞朝刊 15ページ 「『命よりカネ』の五輪、お先棒担いだテレビ」から引用

 オリンピックが金儲け主義になったのは84年のロサンゼルス大会からだったとは知らなかった。確かに、64年の東京大会は気候も良かったし、日の丸の圧力は強かったとは言え、今よりは純粋なスポーツ・イベントとして受け止められていたように思います。相澤氏はテレビ業界出身らしく、このまま終わりにしないで、五輪の強い光の影にどのような問題が隠されていたのかを検証しなければ、テレビも「命よりカネ」に加担したことになる、現場のテレビ局員は分かっているはずだと期待を寄せている。テレビの現場で働く人々の良識に期待したい。





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最終更新日  2021年08月18日 01時00分06秒
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