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2022年06月02日
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テーマ:ニュース(99460)
カテゴリ:ニュース
映画「教育と愛国」を監督した毎日放送(MBS)ディレクターの斉加尚代(さいかひさよ)氏は、映画制作の経緯について、5月15日の「しんぶん赤旗」で次のように述べている;


 ここまできたのか、と驚きを禁じえません。教育への政治介入を、事実を積み上げて”可視化”したドキュメンタリー映画「教育と愛国」。監督した大阪・毎日放送(MBS)のディレクター・斉加尚代さんは「教育は誰のものか。映画を見て語り合ってほしい」と呼びかけます。
(板倉三枝記者)


 2017年にMBSで放送されたドキュメンタリー番組(ギャラクシー賞大賞を受賞)をペースに、日本学術会議任命拒否問題などを追加取材して完成させました。30年近く教育現場を取材してきた報道記者が、2000年代以降、教科書の記述が政治の力で変えられていく過程をつぶさに見つめた労作です。

 冒頭、戦後73年ぶりに正式な教科となった小学校の道徳教科書で、物語に登場するパン屋が和菓子屋に差し替えられたことが紹介されます。検定で「国と郷土を愛する態度に照らして」「不適切」と意見がついたのが理由です。変更は「あんパンなら良かったのか」など、議論を呼び・・・。

 「クスッと笑いたくなる出来事ですが、ここには沖縄戦の『集団自決』の記述を軍の命令や関与はなかった、と修正させたのと同じ深刻な問題が隠されている、と思いました」

 検定の舞台裏を取材しようとしますが、厚い壁で阻まれます。

 「教科書検定制度が圧力と忖度(そんたく)の舞台であることが、うかがえました。見えない圧力をどう観えるようにするか。悩みに悩みました」

◆事実を丹念に

 たどりついた結論は「一つひとつの事実を先入観を持たずに丹念に伝えること」。「圧力で翻弄(ほんろう)された側の声、無自覚だけど圧力をかけている側の声、どちらも不可欠だと考えました」

 その一人、慰安婦問題の記述が右派勢力の標的となり、倒産に至った日本書籍の元編集者の声は悲痛です。自社の倒産が「生きた教材」となって、教科書会社の自主規制が強まった、と語ります。

 斉加さんは「表現の自由を保障したこの国で、検定制度が自己規制の装置になっています。圧力をなかったことにせず記録に残す。圧力があるからこそ発言する。それが不当な力をはねのける力になると思います」と。

 「学び舎」の教科書を採用した国立・私立中学に大量の抗議はがきを送った当事者らにも取材。十数年ぶりに「日本軍」慰安婦を記述したことが抗議の理由でした。大半が匿名の中、実名で数十枚送った山口県防府市長(当時)の松浦正人氏は、教科書を読まずに抗議したと話します。

 一方、「教育勅語」を肯定する育鵬社教科書の代表執筆者である歴史学者の伊藤隆氏は、斉加さんの「歴史から何を学ぶべきか」という問いに、「学ぶ必要はないんです」と断言。歴史研究を否定するかのような発言に言葉を失います。

◆「日本すごい」

 映画は地元・大阪に舞台を移し、維新の会が教育への政治介入の急先鋒(せんぽう)であることを描きます。吉村洋文大阪市長(当時)のツイッターを合図に、慰安婦を取り上げた女性教師に”集中砲火”を浴びせる維新の議員たち。

 「1997年をピークに経済が落ち込む過程で、愛国とか『日本はすごい』という言説が広がっていきました。愛国が排外主義と結びつく危険性は戦前、日本がおびただしい数のアジアの人々を不幸に陥れた歴史が示しています。教育の本質は、人々が平和で幸せに暮らしていくための学びだと思うんです」

 「教育と政治」の取材は、「メディアと政治」を再考する機会にもなりました。「在阪テレビは維新の政治家との距離が近すぎる、と問題視されています。権力にすりよる空気はメディア内部にも漂っています。権力が隠したい事実を国民の側に立って伝える。それはテレビジャーナリズムの基本です」

 斉加さんとタッグを組む澤田隆三プロデューサーも話します。

 「テレビも新聞もオールドメディアといわれて、経営がシビアになっています。その中で、放送の持つ公共性や社会的役割を自覚した人間が権力を監視し、視聴者・国民の負託にこたえていく。メディアで働く個人個人がその精神を持つことが大切だと思います」


<さいか・ひさよ> 1987年、毎日放送入社。報道記者をへて2015年からドキュメンタリー担当ディレクター。近著に『何が記者を殺すのか 大阪発ドキュメンタリーの現場から』(集英社新書)


2022年5月15日 「しんぶん赤旗」 日曜版 31ページ 「政治が介入し変えられた教科書記述」から引用

 教育に対する政治権力の介入は、民主主義にとって致命的で深刻な問題であるにも関わらず、この記事もその問題の「深刻さ」を十分に表現していないように私には感じられて、残念に思います。この記事の後半に登場する東京大学名誉教授・伊藤隆氏は、東大在職中の研究実績が高く評価される学者ですが、斉加氏に質問されて「歴史に学ぶ必要はないんです」とか「軍隊が弱かったから、戦争に負けただけです」というような、自分の研究実績を否定するかのような発言をするのは、何故なのか。何かふてくされているような、滑稽な印象を受けます。同じく東大を退官した後に「つくる会教科書」の推進役を果たした藤岡信勝氏も、似たような変な発言をする人物だったことを思い合わせると、彼らをそのように行動させる何かが、あるのではないかという気がします。





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最終更新日  2022年06月02日 01時00分07秒


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