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2023年12月08日
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テーマ:ニュース(99369)
カテゴリ:ニュース
これまでの歴代日本政府は、憲法の「平和主義」を尊重する立場から「武器輸出三原則」というものを決めて、滅多なことでは武器を輸出しない方針を堅持してきたのであったが、最近は長年にわたって政治献金を提供してきた経団連の圧力に負けて、「武器輸出」ではなく「移転」であると言葉を誤魔化して輸出することにしている。それだけではなく、公務員は憲法を擁護する義務があると規定されているにも関わらず、近年では総理大臣自ら白昼堂々「憲法改正」を公言してはばからない時代になってきている。このような「憲法をとりまく状況」について、神戸女学院大学名誉教授・凱風館館長の内田樹氏は、11月19日の東京新聞に、次のように書いている;


 憲法をめぐる講演に呼ばれた。演題は「どうやって憲法の主体を育てるのか」である。「憲法の主体」とは誰のことか。私見によれば、それはまだ存在しない。これから創り上げてゆくものである。

 よく憲法は国のあるべきかたちを示すものではなく、権力を摯肘する最高法規だという定義を下す人がいるけれど、私はやはり憲法は「あるべき国の理想」を語るものであるべきだと思う。その点であらゆる宣言と同じである。「共産党宣言」も「シュールレアリスム宣言」も実現されるべきものを指し示してはいたが、その時点では、共産党もシュールレアリストも萌芽的にしか存在しなかった。それで構わないと思う。日本国憲法もそうである。この憲法に書かれているような国が実現したらすばらしいとは思うけれど、それは公布の時点も今も存在してはいない。

 日本国憲法は法理的には大日本帝国憲法を改正したものである。だから発布に際して「上諭」という額縁が付けられていた。主語は「朕」である。天皇が「枢密顧問の諮詞」と「帝国議会の議決」を経て裁可し、公布したのである。

      ◇ ◆ ◇

 憲法前文は「日本国民」が「この憲法を確定する」という感動的な一文から始まるけれど、発布の前日まですべての日本人は「大日本帝国臣民」であり、日本のどこにもこの憲法を起案し、その当否を議する権利を持つ「日本国民」なるものは存在しなかった。

 だから、私は憲法集会で講演を頼まれるたびに「憲法は空語だ」という言明から始める。「だから無意味だ」と続くのではない。「これは満たすべき空隙である」と続くのである。「憲法は権力を梨肘する最高法規である」と言うなら、権力を摯肘し得るほどの実力を憲法に与えることこそが国民の責務ではないか。憲法をして憲法たらしめること、それが主権者の仕事である。私はそう思う。

 しかし、日本では総理大臣自身が「改憲」を堂々と政治的目標に掲げている。これは憲法99条に定められた「公務員の憲法尊重擁護義務」に違反している。そこには「天皇または摂政および国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負う」と明記してある。総理大臣自身が憲法は十分な強制力をいまだ持つに至っていないという事実を明らかにしている。彼らもまた憲法は「空語」であるということを知っているのである。

      ◇ ◆ ◇

 自民党改憲草案の「緊急事態条項」を見ればわかるが、改憲派は憲法を停止できる権力を内閣総理大臣に与えようとしている。行政府が憲法より上位になる政体を望んでいる。だから、その手始めとして、いかに憲法に強制力がないかを誇示しようとするのである。私は憲法にそれにふさわしい威信と実力を賦与したいと願っている。憲法とは自然物のように「あるもの」ではない。絶えざる努力によって「あらしめる」ものであると私は考えているからである。

 だから、「憲法の主体とは何か」という問いに私はこう答えることにしている。「白い紙と鉛筆を渡して『あなたの理想とする憲法を書いてください』と言われたときに、今の日本国憲法のようなものを自力で書ける人間」がそれである。そのような「憲法の主体」を私たちの国は公布から77年たって、まだ持っていない。それならこれから育てるしかない。


2023年11月19日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-憲法の主体」から引用

 憲法改正の議論は多数決で決めて良い「議題」ではないため、国会に憲法審査会を設置する際は「議事の進行は全会一致によって進める」ことを原則としてきたのであったが、安倍政権以降はその原則が蔑ろにされつつあり、今は自公維国だけの「賛成」で「改憲案」の条文を作って国会に提案しようという「動き」が出てきている。そのように護憲派はもう追い詰められてきているように見える割に、上の記事は「これから憲法の主体となる国民を育てる」と言っており、ずいぶん悠長な話で、果たして憲法改正を阻止する「実力」になり得るのかどうか、ずいぶん心細い話だと思いました。





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最終更新日  2023年12月08日 01時00分06秒
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