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2024年02月22日
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テーマ:ニュース(99586)
カテゴリ:ニュース
ウクライナの紛争について、元外交官の佐藤優氏は6日の朝日新聞でインタビューに応えて次のように述べている;


 約2年前、ロシアがウクライナに侵攻し、日本でもにわかに関心が高まったが、様々な角度から成熟した議論をかわすのは案外難しい。主権を踏みにじられたウクライナへの同情的な声が圧倒的な中、即時停戦の必要性を説く作家で元外交官の佐藤優さんに話を聞いた。


――開戦から2年。祖国を守るウクライナに対する支援の機運が最近は変わってきたように感じます。

「世論や西側の対応は現実的になってきました。『ウクライナの必勝を確信する』と頑張っていた軍事専門家と称する人たちも、ウクライナの苦戦で、どのラインで戦争を終わらせるべきなのか苦慮している。でも私に言わせると当初から明白な話じゃないかと」

――この間、即時停戦を言いにくい雰囲気を感じていましたか。

「言いにくいのは確かでした。でも早くやめないと、ウクライナの黒海に面した領域が全部ロシアにとられる可能性がある。米国の軍事支援が先細り、ウクライナは完全に弾切れを起こしています」

「今秋の米大統領選でトランプ前大統領が当選するような事態になれば、完全にはしごを外された形になる。ロシアは手加減しないでしょう。だから早く停戦に持っていかないと」

――それは可能ですか。

「変化が起きるとしたらウクライナの中からでしょう。ゼレンスキー政権である限り無理です。彼は4州だけでなくクリミアまでの解放を勝敗ラインにした。それを達成できないと敗北を認めたことになります」

◆欠けていた戦争のリアリティー

――日本の報道や世論をどう見ますか。

「日本人は、この戦争についての報道を見て語る中で、熱気に包まれてしまった。でも、しょせん他人事だったのだと思います。戦争のリアリティーが欠如していた。ただ、ここから学ばなければならないのは、戦争での憎しみというものが我々にも感染してしまうと、我々の目も曇って、戦争をする心に同化してしまいやすいことです」

――ウクライナは勝たなければならないとの意識が現実との乖離(かいり)を生んだと。

「そう思います。今は少し冷静になってきた。ウクライナが目標を達成できないことは相当の人がわかってきている。ならば一刻も早くこの戦争をやめるところに行くべきですが、そこはなかなかメディアが踏み込まない。今まで、さんざんあおってきたからです」

◆変わったロシアの目標

――そもそも、この戦争をどう見ますか。

「これは2期に分かれると思います。境目は2022年9月30日にロシアがウクライナ東部ドネツク州など4州の併合を宣言したこと。それまでロシア側は、ウクライナ東部に住むロシア系住民の処遇をめぐる地域紛争との主張でした。他方、西側連合の考え方は民主主義対独裁。その意味で非対称な戦争でした」

「ところが4州併合によってロシアの目標があいまいになってしまった。と同時に双方が価値観戦争にしてしまった。終わりなき戦いです、価値観戦争は」

「一方で、プーチン大統領は勝敗ラインを明確にしなくなった。実効支配の領域が開戦時より少しでも多ければ、当初目的は達成できたという形でいつでも停戦できるということです。率直に言ってこれは予測していませんでした」

――戦争が長期化した背景をどう見ますか。

「ロシアの行為は国際法違反で、厳しく非難されるべきです。ただ、ロシアが侵攻を決めたのは、米国の影響力低下で国際秩序が変動しているという要素もあったと思います。米国が直接的に軍事行動を取ると宣言していれば、ロシアは侵攻しなかったと思います」

「長期化の背景には、力を付けて言うことを聞かなくなったプーチン政権に対する米国の強いいらだちがあります。核戦争に発展しないよう戦争を管理しつつ、ウクライナへの軍事支援によってロシアを弱体化するのが米国の戦略的目的になっています」

「ウクライナの人々のためにもならない戦争です。もし自由と民主主義がそれだけ大切だったら、それは戦争を自分たちでやらないと。自分たちの価値観のために『お前たち戦え』と言って兵器だけ出すのは、モラル的におかしい

◆日本、和平交渉で大きなカード

――日本の立ち位置は。

「昨年9月の国連演説で外交政策を大きく転換しています。『イデオロギーや価値観で国際社会が分断されていては課題に対応できません』と岸田文雄首相は明言した。世論よりむしろ政府の方が冷静です」

「日本外交には大きなカードがあります。日本はこれまで殺傷能力のない装備品しか供与しておらず、日本が提供したお金でロシア人は一人も殺されていない。ロシアとウクライナの和平交渉の段階に入れば、仲介国として機能する重要な要素になると思います」
(聞き手 編集委員・副島英樹)

     ◇

<さとう・まさる> 1960年生まれ。作家、元外務省主任分析官。同志社大学客員教授。ソ連・ロシアとの外交の最前線で活躍した。「自壊する帝国」「プーチンの野望」「十五の夏」など著書多数。


2024年2月6日 朝日新聞朝刊 13版S 13ページ 「交論・戦争の語られ方-言いにくかった停戦 現実とズレ」から引用

 この記事はさすがに元外交官だけあって、ロシアとウクライナの力関係を冷静に見ていると思います。また、突然ロシアに侵略されたウクライナに非はないのだから友好国からの支援を得てウクライナは勝利するべきだという下世話な「世論」を客観的に見る姿勢は大事だと思います。ウクライナは決して一方的な「被害者」だったのではなく、アメリカの手先になってアメリカの戦略である「ロシア包囲網」強化に味方すれば、ウクライナに利益がもたらされると判断したゼレンスキーの「判断ミス」が今回のロシアの軍事侵攻を誘発したのであって、単純な「ロシア悪者論」では真実を見る目が曇らされるだけだと思います。いずれにしても、もはやウクライナには勝ち目はないのであって、これ以上ウクライナ人の被害を増やさないために、国際社会は停戦に向けて努力を始めるべきだと思います。





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最終更新日  2024年02月22日 01時00分07秒
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