井上靖『風林火山』をもうじき読み終わる
舞台はちょうど大河ドラマ「真田丸」の時代の一歩手前
武田信玄に仕えた軍師、山本勘助の働きを軸にして
武田勝頼の誕生、武田家、命運尽きるを予感させる小説
猛々しく荒々しい戦国絵巻というには
井上靖の真骨頂
芒が原に飄々とすさぶ風の印象が濃く
むなしさがにじみ出るストーリー展開
しかし、こうしていろいろの歴史的人物・事項など小説にしたものを
読み継いでいくと、いままで頭に入ってこなかった歴史が
俯瞰図をのぞくごとくわかるようになるからおもしろい
それにしても日本の年号はこうくるくる変わるのだろう
この小説でも、天文22年、弘治3年、永禄元年と変わっていく
たとえ西暦に直したとしても、印象が濃くはならない
仕方がない
日本の歴史を俯瞰するには複雑な思考がいるのだ