作家の想像力は時代を先読みする。とはいえこの様な事象は普遍的なことがらでもあるのだろう。
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ある大病院で次々と起こる事件、患者の失踪、医療ミス、障害のある子供のいたずら。ひとりの大学生患者が経験する怖い思い。その背景には一人の美しい女医が見え隠れする。道徳を信じず、心は乾き、「障害者、老人、不治の病の人々を生きていても仕方がない」と抹殺しようとする心理。彼女は真昼の悪魔かもしれない。
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誰の心にもしのぶ、悪魔の選択。冷酷な人間か?冷静な対応なのか?
しかし、今ニュースで接する事柄をみてもこれは小説の中のことではないと悩ましい。30年以上前の小説ながら古びていない。