静 か に ふ ま せ た い 祖 国 の 土
28年間 !
なんと長い年月であったろう
南十字星の輝く
グアム島の密林の中で
文明の光を断絶し
原始の生活を 死の恐怖と闘いつつ
戦陣訓を忠実に守り
祖国を愛し 勝利を信じた
一兵士が
生の執念と 強じんな精神力で
生きつづけた長く尊い年月を・・・
戦争がもたらした
悲劇の主人公の
クローズアップされた
顔写真を見つめて
戦争の苦悩を
身でたえぬいた世代の人は
” よく生きつづけて ” と涙涙・・・
頬( ほお )をつたう
死の影におびえつつ
ジャングルの中で水滴と化した
この人の青春は
億万の宝石を積重ねても
再びとりかえす事は出来ない
戦争の悲惨な歴史を物語る
この人を
慈愛の心があるならば
静かに
祖国の土をふませたい
そして静かに
祖国の平和の日々を
心ゆくまでみつめさせたいと
願わずにはいられない
愛知県岡崎市 主婦( 41歳 )
上記、記述は、1972年( 昭和47 )1月31日、
新聞( 読者の広場 )に掲載されたものです。
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最終更新日
2022年03月25日 18時34分34秒
[元 日 本 兵 ・ 横 井 庄 一] カテゴリの最新記事
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