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ヴェネツィアの獅子たち

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Reiko Fujiwara Marini

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2007/03/31
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カテゴリ:歴 史
 さて、810年にフランク王国の大軍を追い払うのに成功したヴェネツィアは、ビザンティン帝国(東ローマ帝国)の勢力圏内で成長してゆきます。
 828年、二人のヴェネツィア商人が、エジプトのアレキサンドリアにある寺院から、福音史家(evangelista=エヴァンジェリスタ)の一人、聖マルコ(サンマルコ)の遺骸を盗み出し、ヴェネツィアに持ち帰ります。それまでのヴェネツィアの守護聖人である、聖テオドーロよりも、聖人としての「格」がずっと上である聖マルコの遺骸を手に入れることは、国としての「箔」(はく)をつけるのに大きな意味があったのです。ビザンティン帝国領内での交易権を活かし、豊かになりつつあったヴェネツィアでしたが、帝国の「属国」的な立場から脱却して、完全な独立国となることは、ヴェネツィア市民の悲願だったからです。
 この二人の商人は、盗んだ聖マルコの遺骸をエジプトからこっそり持ち出す時、税関の検閲で詳しく調べられないように、イスラム教徒の嫌いな豚肉の下に隠して運んだといいます。
 かくしてこのお宝とともに、二人の商人は英雄として、ヴェネツィア市民の熱狂的な歓迎で迎えられました。なぜならこれで、誰の支配下でもない独立国のためのマテリアル(総督、市民、首都、守護聖人)が揃ったからです。
 (写真の絵は、アンドレア・マンテーニャ(1431-1506)の『福音史家 聖マルコ』1450年
81×64cm フランクフルトStadel Museum蔵)






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Last updated  2007/03/31 04:39:28 PM
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