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「霊魂論」エチカ詳解72
コナトゥスは、スピノザの「エチカ」が唱える目的論批判と倫理学が要請する目的論を、自らの汎神論的形而上学に抵触しない仕方で導入することに正誤判断的に正しく成功しているかどうかは、其れへの批判論の多様さから吟味すべき問題です。何故にエチカの初頭でスピノザが目的原因を批判し、コナトゥスを導入しなければならなかったのか、此れが第一の問題です。第二にはスピノザの云うコナトゥスにはスピノザの云う自己保存とはそもそも何であり、またそれは個体の振る舞いとどう関わってくるのだろうかとの問題です。第三には個体に内在的なコナトゥスの努力は「自然はこうならなければならない」ものが目的原因批判との矛盾性。スピノザの論理は此の答えに、此の衝動は実際には作出原因(Production cause)なのですが、人間は一般に自己の衝動の原因を知らないために、それは第一原因として看做されていることからくる誤謬だとします。スピノザの神を論理の作動に置く信念は神は他者ではなく自者「存在」そのものだということなのです。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年01月05日 13時21分02秒
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