時間の陥穽78
宇宙を満たすのは、其の殆どが我我人間が知悉している物質ではなく、今だに解明されない正体不明、「暗黒物質」や「ダークマター」あるいは「ミッシングマス」と称される正体不明だが存在が確認される、史的には理論が先に確認が後にの先後関係を超えた観測事実を理論が追いかける隠された現実・秘められた現実確証を理論が考証して説明しなければならない任務を帯びます。「正体不明のものが存在するとわかっている」とは、かなり宗教的な言いまわしですが、宗教と決定的に違うのは暗黒物質の存在は、暗黒物質は特殊な観測や理論から導かれたのではなく、 様々な観測結果から共通に示唆され現実的であり、且又事実だと捉えられ得るからです。其れ等の根拠としての観測事実を列挙すれば、1:銀河の回転速度が、星の存在しない外側領域でも大きく減少しないこと。2:銀河団内の構成銀河の速度分散が非常に大きいこと。3:多くの銀河団に見られる重力レンズ現象。4:宇宙の大規模構造の形成の観測が見られることです。それ故に従来からの重力波理論だけでは、現代観測学にも追い付けず、大量の「目には見えないが重力相互作用をするもの」を持ち出さなくてはならない羽目に陥ります。宇宙は物質や粒子の世界ではなく「空間と重力」其の波及効果の「時間」を基礎に成り立つ「無尽の運動可能性」なのかとも鑑みたくなります。
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