時間の陥穽372
世界内構成の中の特異点。此処では再度ブラックホールの構成を探求します。現在ではブラックホールは二つの部分から成り立っていると考えられます。ブラックホールの外殻は「事象の地平線(事象地平)」と呼ばれる空間の境界に覆われ、ブラックホールに落ち込む物体は光速度を持つものさえも吸引するので、其の境界の外側にいる観察者は二度とその物体を見ることができない不可視領域となります。更には、超新星爆発で爆発の後には中性子からなる核が中性子星として残されるが、中性子星が光やX線を激しく放出するパルサー(pulsar)となることもあるが、質量が太陽の約38倍以上もある星の場合には、自己重力が中性子の核の縮退圧を凌駕、重力の強さで中性子が潰れ始めるために、超新星爆発の後も核が収縮する重力崩壊を続け、星の収縮を押し留めるものは何も無いため永久に縮み続ける。こうしてシュバルツシルト面より小さく収縮した天体がブラックホールなのですが、超新星爆発で吹き飛ばされた残骸は尚も中心に向かって圧し潰され、遂には「特異点」の存在に至ります。それならば、特異点のみの存在が在ってもいいように思われますが如何なものでしょう。
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