時間の陥穽391
超弦理論では、宇宙世界を弦として扱う空間を9次元として扱うのが従来の理論でしたが、現在の超弦理論では、9次元の空間しか許さないというように次元の数が決めつけたのを、宇宙にもう少し柔軟性を齎し、従来の9次元から、10乃至11次元だと試論する超弦理論へと舞台は変わりつつあります。抑々が、超弦理論( superstring theory)は、物理学の数ある理論のなかの仮説の一つです。物質の基本的単位を、従来の大きさが無限に小さな0次元の点粒子(point particle)、物理学においてよく用いられる理想化された粒子で、理想粒子 (ideal particle) または点様粒子 (point-like particle, pointlike—) とも言う空間的広がりを持たない特徴を定義付けたものです。言い換えれば位置情報のエネルギー因子と捉えられるかもしれません。対して、超弦理論は、物質の基本的単位を大きさが無限に小さな0次元の点粒子ではなく、1次元の拡がりをもつ弦であると考える従来の「弦理論」に、超対称性という考えを繰り込み拡張したものです。超ひも理論、スーパーストリング理論とも呼ばれるものです。此の仮説は、宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物のさらにその先の世界を説明する理論の候補として、世界の先端物理学で活発に研究されている理論であることは衆知の事実です。
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