時間の陥穽415
川合教授の超ひも理論の展開に従えば、1回目の宇宙のビック・クランチが実時間を伴って2回目の宇宙のビック・バンに繋がり、次々其れを反復し、その途中経過では、それまでの超ひもの世界から30回目の宇宙でクォークの閉じ込めが見られたと思ったら、将又、その宇宙はその段階でビック・クランチを起こして潰れてしまう。そして更に、36回目の宇宙で元素が合成されるが、これもまた、その段階で潰れる。以降、此れと同様な宇宙の生成と消滅を繰り返して、やっと44回目の宇宙になって星ができ、様々な銀河ができるが、その段階でビック・クランチとなる。その後、48回目の宇宙は、直径6億光年で4~5億年の寿命となる。次の49回目の宇宙は、直径25億光年で30~40億年の寿命であるから、地球の年齢が46億年であることを考慮すれば、地球型生命体が生まれないままに、ビック・クランチを迎えたのではないかと想われるとしています。そしてこの49回目の宇宙が、50回目の宇宙となる現在の宇宙に直接繋がっているのです。我々が現在する宇宙は、ビック・バンから数えて137億年目の現在、WMAP衛星の観測によれば引き続き膨張しているようなので、今のところビック・クランチの兆候は見られない。然し乍ら、やがては収縮に転じて、あと100億~200億年でビック・クランチとなるかも知れません。そうなると、また新たなビック・バンにより51回目の宇宙が誕生し、それまでに経験をしたような経緯をたどって成長していくかもしれないというのです。それでなければ、現在する宇宙が文字通り最後の宇宙、宗教的見地に逆らえば、我々人間は最後の宇宙人ということになります。
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