カテゴリ:絶対存在論
神の存否-197
数学的便宜から用いられる虚数に対しては、存在しない個物ないし様態の理念的な観念として成り立つのかどうかは気になります。存在しない個物ないし様態の観念が、個物ないし様態の形相的本質が神の属性の中に含まれているのと同じように神の無限な観念の中に包容されていれば「虚数」も神に属することになり、「形相的有」と認識されます。「数」には本質的に逆説を含んでおり、現実世界には存在し得ないと言わざるを得ないものがあります。其の代表的なものが「虚数(i)」でマイナス1の平方根でしょう。ところが其のような現実世界には存在しない数を使い、此の物理学に支配されているとされる世界に起こる事実現象が記述され測定されている事実があります。その測定されている数というものは、勿論のこと、それ自体は現実のものではありません。然れども、一応数学に通じているとされている方なら、「数の世界」はある意味において我々が通常実感している以上に現実だということを実感されます。勿論「数」というものがある程度何某(がし)ら以上に現実だと言うには、「数」が現実的だとの了解がなければなりません。スピノザの構想する神の世界は観念それ自体が「事物」でもあり、したがって固有の実在性を持っているのです。デカルトの実体二元論( Substance dualism)が想起されます。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年10月12日 06時02分14秒
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