カテゴリ:絶対存在論
神の存否-203
スピノザの「様態」論は、個物は、思考という属性のもとに考察すれば観念であり、広がりという属性のもとで見れば物体であるが、スピノザはこれを偶有性の概念、彼の言葉を用いれば「様態」の概念によって捉えている。様態とはしたがって、実体という普遍的存在が特殊化する個別的な存在様態である。様態は、たえず消滅して少しも恒存しない形態として、その実体との関係は、海に立つさざ波の海の水への関係に似ています。仮に、実体が限りない一の宇宙の絶対存在であるならば宇宙は唯一無二の存在となり、並行宇宙や多元宇宙では唯一無二の存在では無くなるのかと問えば、スピノザの云う神存在そのものが破綻するのかどうかは難問ですが、スピノザであれば宇宙が一であろうと無限の多であろうと、無限で唯一の神存在が実体として存在すると答えることが予想されます。スピノザの云う神としての実有・普遍・恒常性は全ての世界の背景に潜む大乗仏教哲学説くところの「空」、画家が描くところの画材としての信教的象徴の神ではなく、背景に神を予想させるもの、アインシュタイン云うところの「創造力の秘密とは、その源を隠すことにある。」の当事者なのかもしれません。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年10月18日 06時10分04秒
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