カテゴリ:絶対存在論
神の存否-232
スピノザの代表著作「エチカ」は、光の直進や反射の法則を発見した科学者 プラトン学徒ユークリッドの幾何学を自己の世界概念として思想を展開して見せます。片や、ライプニッツはニュートン力学を知悉し、1676年にはバールーフ・デ・スピノザを訪問したことでも知られますが、自己のモナド (単子哲学/Monade)を展開してみせます。モナド(monad)は哲学用語で単子と訳します。初めピタゴラス学派が用い、プラトンおよび中世キリスト教系思想家も種々に用い、ライプニッツに至ってはその形而上学説の中心に置かれました。ライプニッツの形而上学説はモナド論と呼称されます。万物を構成するモナドは不可分で不滅の実体であり、一つのモナドは他のモナドと相互作用をもたないが、最高のモナドである神によって立てられた予定調和があるとする。彼はこの思想によって機械論と目的論の対立を克服しようとしました。モナド はライプニッツの哲学においての、あらゆる事物を構成する究極的要素となります。分割不可能の単純な実体をさすモナドは、ギリシア語で一をあらわすモナスに由来し、能動的な活動性を持つ力の中心で、空間的な広がりを持つ物体的な原子(アトム)、現代物理科学の素粒子とも異なる。モナドの能動的な力は、物体を表象する精神の力となってあらわれ、モナドは、表象の表象の明晰によって、暗い無意識な無機的物質から、明るい意識を持つ理性、さらには最高の神までの段階がある。モナドは、外部と交渉を持たない「窓のない」独立した実体であるが、個々のモナドの表象が一致して宇宙の調和的秩序が存在するように、神によってあらかじめ定められている「予定調和」全世界のモナドの変化の過程を、あたかも直接的相互関係があるかのように支配しているこの原理が予定調和。無数のモナドは、独自に全宇宙をみずからの内に映し出す生きた鏡。宇宙全体を表象する小宇宙にたとえられる宇宙は無数の小さな「時空の泡」でできているのかもしれないとする此の予測は驚くべきものです。スピノザとライプニッツは現代版の相対性理論と量子理論の対立の前哨戦といえるかも知れません。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年11月17日 06時10分04秒
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