【プレイ日記】バラック・エンペラーズ会
「GMTのウォーっぽいけどウォーじゃない、ちょっとウォーなイケてるゲームやろうぜー」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。●The Barracks Emperors 詳しくはこちら↓書き逃げ旅団:The Barracks Emperors (GMT Games) 「トリックテイキングの衝撃」 旅団長さん持ち込みのメインディッシュから。「Barracks Emperor」は日本語では「軍人皇帝」と訳される。3世紀ごろのローマで軍事力を背景に皇帝の擁立が乱立した時代を軍人皇帝時代と呼ぶそうだ。ローマ皇帝は最高指導者兼最高軍事司令官だったわけだが、その任期は終身制。なので軍司令官として無能でも簡単にすげ替えられない。じゃあどうするか……そうだ、暗殺しようw というわけで短期間で皇帝の首がばんばんすげ替えられたのだった。他にも属州の軍事力を背景にして、元老院に認められてないのに「俺皇帝ねー」と僭称した奴とかもいっぱいいた。ローマ終わってるなw プレイヤーは有力な派閥の一つとなって、この時代に皇帝となった(あるいはそう僭称した)45人に対して影響力を及ぼそうとする。各皇帝カードには青、赤、黄の色がついてて、獲得すればどれも1枚1点だが、各色1枚からなるセットを作ればおまけで3点ついてくる(つまり1枚当たり2点相当になる)。 どうやって獲得するかというと、画像のようにマップ上に皇帝カードが市松模様に並んでるので、その上下左右の4スペースのうち自分側に対応しているスペースにカードをプレイしていく。ここがデザイナーの主張によると“トリックテイキング”ということになってる。皇帝カードの色が切り札スートになっていて、ある皇帝の四方がカードに囲まれたとき、囲んでいるカードの数字が一番大きいプレイヤーがその皇帝を得るのだ(もちろん、切り札のカードをプレイしているプレイヤーがいればそちらが優先される)。 ここで面白いのは、ある皇帝が獲得されたあと、どの皇帝にも接していないカードは捨て札になるが、他の皇帝に接しているカードは盤上に残るということ。そして“獲得された皇帝”から見て自分側にあるカードは、“他の皇帝”から見ると他プレイヤーの側にあるカードになるのだ! こう聞いてもなんだかさっぱり分からないだろうから、例を挙げて説明しよう。たとえば上図の下側に座っている私が、黄色い皇帝カードAを取ろうとしてスペース①に黄色の4か何かをプレイしたとする。その後、他プレイヤーがスペース②③④にカードをプレイしたら(②や③は他の皇帝カードから見て自分側にあるので、私が別のカードをプレイすることもできる)、まず切り札である黄色のカードの数字比べをし、誰も黄色カードをプレイしてなかったら単に数字比べをする。こうして私が見事に皇帝カードAを得たとしよう。 しかし、どのスペースにプレイされたカードも他の皇帝カードに接しているので、まだ取り除かれない。そして私がスペース①にプレイしたカードは、皇帝カードBが囲まれたときにはボード上側のプレイヤーがプレイしたものと見なされるのだ! もちろん、スペース①の左右にある皇帝カードから見れば、ボードの右側や左側のプレイヤーがプレイしたものと見なされる。 なので、単に強いカードをプレイすればいいというわけではなく、その後の影響も考えなければならない。さらに、各カードには固有の能力があって、他のカードと位置を入れ替えたり、皇帝の色にかかわらず切り札をなくしたりするので、もうどこに何をプレイすればいいのかさっぱり分からないw 手札の補充は公開ディスプレイから行うが、今プレイしたカードの数字が小さい(=弱い)ほど、多くの選択肢から選べるようになってる。 これはね……ちょっとこれほど「他に類を見ない」が似合うゲームはない。そして単に奇抜なだけじゃなく、面白い。画像を見るとテキストだらけのように見えるが、皇帝カード上のテキストはすべてその皇帝に関するフレーバーなので読めなくても大丈夫。手札のテキストは非常に簡単な効果ばかりなのでサマリーが1枚あれば足りるし、それもすぐに不要になるだろう。 最初の手札を除いて、誰がどのカードを持ってるかはディスプレイから取ったカードを覚えていれば分かるので、カウンティングしてガッチガチにプレイしてもよし。ゆるーくプレイして突然のカード効果に形勢逆転されて悶絶するもよし。どっちのプレイスタイルでも楽しめると思うよ。ただし断じてトリテではないw●ジャンプドライブ 写真撮り忘れ。 詳しくはこちら↓#ボードゲームたのしいね:さっくり銀河を征服しよう『ジャンプ・ドライブ / Jump Drive』【100点】 続いて旅団長さん持ち込みのこれ。サンファン式(プレイするカードのコスト分だけ他のカードを捨てる)でカードをプレイしていく。手番ごとに2枚プレイできるが、1枚しかプレイしなければ何かいいことがある。そのあと、それまでにプレイしたカードの効果によってカードを補充し、得点を得る。誰かが50点取ったらゲーム終了で、いっぱい点取った人の勝ち。 常々聞いてはいたが、ちゃんとやれば確かにあっという間に50点取れる……ちゃんとやれればなw この日は旅団長さんが爆発的に成長してるのを横目に30点くらいで負けたw たとえ私レベルのへたくそ同士でプレイしたとしても、終了自体はあっという間なので、繰り返し何度もプレイするのに向いてる。「クルー」とかを延々やるのが好きだけど、さすがにそればっかりじゃ少し飽きたな……ってときにうってつけ。よくできてる。日本語版は出てない? 出てもおかしくない気はするけどねえ。●ウッドクラフト 詳しくはこちら↓The Board Game Laboratory - Rebooted!!:ウッドクラフト 旅団長さんが早退されたあと、3人でこれ。ファンタジー世界で木工業を営むエルフとなって、注文を受けて工房の設備を整えて材料を仕入れて木工製品を作ってお金と得点を得る。規定ラウンドやっていっぱい点取った人の勝ち。 デザイナーは別の人になってるが、「シップヤード」を作ったウラジミール・スヒーの手が大きく入っており、明らかにその影響によるシステムが使われてる。円形トラックからアクションタイルを選ぶところなんかその際たるものだ。 もう充分に高評価を得てるゲームなので、ここで細かいことを言う必要はないだろう。アクション選択が悩ましい資源コネコネゲーがつまんないはずないしなw 強いて言えば、収入がゲームを通して3回しかないので、多くの拡大再生産ゲームとは異なり、収入力を上げるよりも即時収入を重視した方がいいように思う。ここはゲームに慣れてる人ほどだまされるかもね。まあ注文カードの出方次第では収入力重視戦略もありそうだけど。おそらくは最難関と思われる屋根裏工具戦略も可能かどうか試してみたいね。