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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(た行)
原題: THE DARK KNIGHT 監督・脚本 : クリストファー・ノーラン 出演 : クリスチャン・ベール 、 ヒース・レジャー 、 アーロン・エッカート 、 マギー・ギレンホール 、 ゲイリー・オールドマン 、 マイケル・ケイン 、 モーガン・フリーマン 公式サイトはこちら。 <Story> ゴッサム・シティーに現れた最悪の犯罪者ジョーカー(ヒース・レジャー)。 彼は、マフィアたちに成り代わってバットマンを追い込む“ゲーム”を開始。 それは「バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す」という卑劣なルールで、戦いの中ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)も凶弾に倒れてしまう。 ブルース(クリスチャン・ベール)は遂にバットマンの正体を明かすことを決意。 記者会見に登場しようとするが、それを制したのは新任検事で“光の騎士”と慕われるデント(アーロン・エッカート)の意外な行動だった……。 ダークナイト - goo 映画 <感想> バットマンシリーズは未見なんですが、 アーロン・エッカートとマイケル・ケインが個人的に好きなので、ぜひ観たいと思っていました。 クリスチャン・ベールは『プレステージ』での印象があんまりよくなくて、それでイマイチ入りこめなかった俳優さんだったりするんですが、今回の役は完全なる正義の味方。 どこからでも現れて敵をやっつけてくれるっていうのも、ベタですがカッコいいものです。プレステージよりもスマートな印象。
ジョーカーは言う。世の中は規範だらけじゃないかと。 子どものころに受けた心、そして顔の傷。それは、「こうあるべき」というおしつけや思い込みによってできたもの。 傷を受けたジョーカーは徹底的に規範を憎んでいく。 「こうするであろう」という予想や計画を読んで、それを利用して相手にダメージを与える。 ダメージを受け、大切なものを失った相手は、ジョーカーと同じく復讐の鬼と化し、 いくらそれが「正義」という大義名分があったとしても、やっていくことは悪の側と同じレベルになり下がっていく。
「絶対的な、理由がない悪」を駆逐するべく立ち上がるバットマン。 だがそれを遂行するためには一体どれだけの犠牲が必要になるのか。 彼が動けば動くほど、その規則の裏をかいたジョーカーが逆に犠牲を増やしていく。 善と悪。 相対する規範。 だがそれは紙一重であり、あっけなく裏返って、規範はもろくも崩れていく。結局人間の良し悪しの定義はできない。誰も裁けない。 真っ向から対峙しようと思えば思うほど、その網から零れおちた「規範に当てはまらない感情」が、対決の輪廻を生んで行く。 ヒース・レジャーは、『アイム・ノット・ゼア』に続いて2作目の鑑賞なのですが、 この善と悪の矛盾をあぶりだす役として、彼しかいないというほどの狂気を見せてくれたように思います。 20代で亡くなってしまって。 年を重ねたらどんなにか味のある役者さんになっていたのだろうなと感じました。
マイケル・ケインが好きなのですが、今回の彼の語り口がとても美しく、 うっとりと聞き惚れてしまいました。 彼の「声」がものすごく魅力的で。英語も流れるようで、ますますファンになってしまったかなーと。 アーロンも、あの押し出しが、「光の騎士」という看板を持つにはぴったりであったように感じました。 押し出して行けば行くほどはまってしまう罠。もがけばもがくほど、次に待ち受けている罠に落ちていく・・・。 悪の方が陥れるのは善よりも上手なので。 そこをやり過ごすためには、あくまでも "The Dark Knight" に徹するしかないのだろうかと考えると、少しやりきれないような想いが残りました。 ちょうど先般、『闇の子供たち』を観て、悪を無くす難しさというものを感じていたところでしたので、少なからずこの映画もそんな問題に対する答えを持っているような気がしました。
今日の評価 : ★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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