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テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:邦画(た行・な行)
監督・脚本 : 河瀬直美 出演 : 長谷川京子 、 グレゴワール・コラン 、 村上淳 試写会場 : 新宿安田生命ホール 公式サイトはこちら。 <Story> 人生のリセットを求めてタイに着いた日本人女性・彩子(長谷川京子)が、タクシーに連れて行かれたのはホテルではなく森の中。 その川のほとりでフランス人青年グレッグ(グレゴワール・コラン)に出会った彩子は、彼が同居するタイ人母子の住む高床式の家に連れて行かれる。 言葉も通ぜず、ここがどこかもわからない彩子だが、不安と苛立ちの中でそこで受けた古式マッサージで心の安らぎを得ていく。 少しずつ周囲と調和していく彩子は、そこで七つの夜を過ごす。 七夜待 - goo 映画 <感想> 河瀬直美監督作品って実は初めてです。 昨年観たいと思ったのですが、上映館が少なく、時期もとても短くて行けない。 DVDを家で見るのが苦手なので(中断されるから)、借りてきてはいないんですが、 いい機会だと思って鑑賞してきました。 タイに1人で日本人女性が旅をする、という設定。 アジアって好きですので、どんな旅が始まるのか、と思っていましたが。 ・・・・ うーん。 何と書けばよいのか、難しいです。 旅先で出会う人、起こる出来事が、モチーフとしてぽとん、ぽとんと置いてあるんです。 ですが、そのつながりっていうのが見えてきません。 初めに出てきた人。その人には、最後には彩子は全く違う気持ちで接しているのですが、その気持ちの変化の過程が出てきません。 『七夜待』ということだったんですが、本当に七晩経ったのかということもはっきりとはわかりませんでした。 一切の説明がないまま進んで行く映画、ということで、初めに私が浮かんだのはこちらの映画でした。 これには「非日常」というテーマがあり、出来事もそこにほぼ固定されているのですが、 『七夜待』にはもっと出来事が生々しく起こってきます。 起こってくるのですが、それがどう展開するのかが見えてきません。 旅先で図らずも知り合った人たち。その人たちが抱えている心の傷に触れたから、彩子は自分を解放することができたのか? そのくらいしか解釈が思いつきません。 あと、時折映像に挿入されてくる、あらすじと全く関係ない男性と彩子との絡みのシーン。これの意味が分からなかった。これは必要だったのだろうか。 性的なニュアンスを入れたことと、彩子がタイで直面している出来事を結び付けているのか、それともこのことが彩子がタイ1人旅をするきっかけになったのか。分からなかったな。。。
そしてこれは現実的な話としてですが、 片言の英語もできない女性が海外を1人旅するというのは、実際いかがなものでしょうか。 自分の身に危険が降りかかった時に、状況を説明できるくらいはしないといけないんじゃないかなと。 まして、相手の言っていることが分からない時に、"I don't know." くらいは言えた方が。。。 「わからない!」だけで押し通してしまえるほど、世界は甘くないような気がするんですけど。 この映画では、長谷川さんはほとんどノーブラ、タンクトップの衣装です。 それで大きく伸びをしてみたり、前かがみになってみたり。 これでは何かあったって文句は言えません。 全体的にあまりにも無防備過ぎますし、旅行の下調べもないし。 環境系のプロモーションビデオや、観光地のPRならこれでもよいと思います。 ですが映画としては、観客にわかるものがないと、ちょっと厳しいのではないでしょうか。 「わかる人だけわかってくれればいい」、そう言われてしまいますと、 はぁ、じゃあ私はわからなかったから・・・ と、言うよりほかにありません。 こういう作風だから、と思うよりほかになさそうです。 今、書きながら思ったのですが、彩子が「わからない」を連発したように、観客にも「わからない」状況に陥ってもらって、そこから何かを考えてほしかったのか? と、そこまで想像してしまいましたが。。。。 タイが舞台ということで、タイ関連のスポンサーがたくさんついていて、そのどれもが、この映画によって癒されて下さい、と宣伝しています。 癒されたかな? まあ、長谷川さんは頑張ったし、タイの自然が美しいのは認めますが。 よくわからないまま、一切の説明がないまま、映画は終わってしまいました。
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