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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:邦画(は行・ま行)
監督・プロデュース・音楽 : 小林武史 原作・脚本 : 菅知香 プロデュース・脚本 : 岩井俊二 出演 : 赤西仁 、 北乃きい 、 高良健吾 、 柴本幸 、 金子ノブアキ 、 笠原秀幸 、 杏 、 伊藤歩 、 財津和夫 公式サイトはこちら。 <Story> 90年代、空前のバンドブームが巻き起こっていた。 そんなバンドの1つ、LANDS(ランズ)のCDを聴いたアサコ(北乃きい)は天才的な音楽センスを持つユキヤ(高良健吾)に惹かれ、LANDSのファンに。 ミハル(杏)とLANDSのライブに行ったアサコは楽屋に忍び込み、LANDSのメンバーでボーカルのナツ(赤西仁)に気に入られる。 ナツによってLANDSの練習場に連れて行かれたアサコはこれを機にLANDSと深く関わっていく。 そして、アサコとLANDSの運命は大きく変わっていった…。 BANDAGE バンデイジ - goo 映画 <感想> 気にはなってたんですが日にちが経っちゃって、ようやく1週間後の観賞。 岩井作品は、『ハルフウェイ』が今1つ取り残されちゃった感じで乗れなかったから、これもどうかなあと若干不安ながらも、でも予告の音楽がよさげだし、北乃きいちゃん高良健吾くん出るしーと、惹かれる要素満載なんで、これは観ないとわからん! ということで行ってきました。 90年代初めって、その頃は私事忙しくて音楽観賞からちょっと離れた時期でもあったけど、バンドブームでもあったのはなんとなく覚えてます。 インディーズとかいっぱいいましたね。 このLANDS、見てる感じでは結構スレてなくて、ピュアな部類に入りそうな気がする。 まあ映画なんであまりにもダークにはできないのもあると思うが。 ナツの設定って、ちゃらちゃらさせようと思えばいくらだってできちゃうのに、敢えてそれをしてなくて、方向性が定まってない、くらいに抑えているのがこの映画にとっては効果的。 そしてユキヤは天才、アルミ(→ この役名が柴本さんにピッタリ)はこだわり派、ケンジは自信喪失、リュージは職人肌と、キャラが微妙にバランス取れてるのが共感持てます。 私知らなかったんですが、金子ノブアキさんはもともとドラマーなんですね。 道理でうまいわけです。 『クローズZERO II』 が印象的なんで、役者だけだと思ってました。 天晴れ! それで、感想としてはすごくよかった。 これは期待通りで本当にうれしいところ。 これから俺たちどうなるの? っていう焦燥感。 それは自分たちの感覚の違いとか、レコード会社やプロダクションの思惑なんかにも左右されちゃう。 その危うさみたいなのがしっかり描かれていましたね。 何となくバンドしてるようなナツに対して、スタイルを持つユキヤとアルミ。 ここでもう大体LANDSがどういう道をたどるかは見えるんだけど、でも見えてても彼らのとんがった表情にぐいぐいと惹かれてしまう。
高良くんも柴本さんもまさにこれしかない!ってキャスティングで、惚れ惚れしちゃったな。。。 彼らのもがき方もハンパじゃないし、才能があるものならではのジレンマも、出演時間は主役に比べると短いながらも伝わってくる。 ユキヤ@高良くんのサウンドのシーンとかも最高にカッコよかったし。 そして柴本さんやっぱり好きー。 彼女は基本、男っぽい役が似合うのかもしれません。 金子くんも、その経歴から漂ってくる刹那をうまく出していたし、笠原さんも、一歩後から付いていく立場のやるせなさが何か見てて切なかった。 脇も何だか、ジャストフィットな感じの場面がたくさんありすぎちゃいました。 たとえば伊藤歩さん。 ちょっとスカート丈短すぎとも思いましたが(笑)、ユカリの持っている怒りだとかブチギレとかが、最後に形を変えてこちらに返ってくるのはいいなあーと思った。 あとお久しぶりに観た財津さん! 最初どなたかと思いました。 お元気な姿拝見できてうれしい~~。 ギョーカイ人の脱力感がほとんど素なんじゃないかって思うくらい(笑 彼らに対峙する、というか、この気流を作ってしまうアサコ。 この出会いも、そうそううまくある訳じゃないでしょ! とツッコめばそれまでなんですが(笑)、まあ映画なんでそこは目をつぶるとして。 ギョーカイ入りするきっかけって、案外どうでもいいところから生まれるものなのかもしれないですね。 それでも全然ギョーカイ人らしくならないアサコちゃん、という感じなんですが、彼女もまたLANDSを通じて成長していくんだなあ。。。って感じるのは、私がママ役の斉藤由貴さん的目線だからだろうか(→ 彼女もよかったよねえ。 笑) 「おまえがLANDS壊したから」って言われたって、それも壊したくて壊そうとしたわけじゃない。 大体壊れてないし壊したくなんかない! もがくアサコの心中がわかる。 人の心はいつも、ひとつところになんてとどまる訳はない。 永遠にそのままだなんてことは絶対にない。 その中で自分の立ち位置を見つけていく。 そして人は孤独。 だから、同じように孤独を語るものに共鳴していく。 ユキヤはサウンドの中に自分の孤独を吐き出していく。 私たちがアーティストに惹かれるときってそんなものじゃないだろうか。 アサコもミハルも自分の代弁者を見つけた。 そしてそこからさらに表現者、創造者として立ち上がった。 見てて清々しいしまぶしい。 素直にそんなきらめきを感じました。 ジャニーズ!? って思い込みはこの際なしで、真っ白にして観てみると、何かが浮かび上がってくるような作品でした。
今日の評価 : ★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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