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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(や行)
原題: YUKI & NINA 監督・脚本 : 諏訪敦彦 監督・脚本・出演 : イポリット・ジラルド 出演 : ノエ・サンピ 、 アリエル・ムーテル 、 マリリン・カント 、 ツユ 観賞劇場 : 恵比寿ガーデンシネマ 公式サイトはこちら。 <Story> ユキ(ノエ・サンピ)とニナ(アリエル・ムーテル)はパリに住む9歳の女の子。 ユキはフランス人のパパ(イポリット・ジラルド)と日本人のママ(ツユ)と暮らしている。 夏休み初日、ユキはママから「パパと別れて日本に帰ろう」と告げられる。 ショックを受けたユキは、親友のニナとそのママ(マリリン・カント)に相談。 ニナの両親も離婚していたからだ。 仲直りしてもらいたいユキは「愛の妖精からの手紙」を書くが、ママはそれを見て悲しむだけ。 やがてユキとニナは、両親を仲直りさせる作戦の一つとして家出を提案するが…。 ユキとニナ - goo 映画 <感想> 諏訪監督作品は2本観ています。 『PARIS, JE T'AIME』と、『不完全なふたり』。 前者はオムニバス(5分くらい)で、後者はフランスのカップルの日常を描いたものです。 今回の『ユキとニナ』は、どちらかというと作風的にはファンタジーですので、前者に近い。 実際、予告とかスチール写真が可愛らしいんですよね。 2人の美少女が遊んでいるなんて、絶対に絵になりますもん。 その可愛らしさに惹かれて観に行くと、 あれ? ちょっと違うぞ・・・ な展開です。 ママはもう、パパとはやっていけないから・・・。 冒頭からシュールな場面の連続。 9歳の子でも、きちんと大人の理由を説明して、納得してもらいたいという、フランス的な大人な目線の接し方です。 そしてその大人の問いかけに対して、はっきりとユキが拒絶しているところもまた、子どもが自立している文化なんだなと思う。 「日本には、行きたくない」 そう答えるものの、ユキの心は揺れている。 単にそれは子どもだからということも大いにある。 深刻な話をした後で、ケロっとして遊ぶという事は、子どもには日常。 しかし、心配事はちゃんと心にこびりついたままなのだけど。 現実を現実として対処できる力がないのが子どもである以上、浮世離れした考えが出てきてしまうのは当然のこと。 しかしながら、根底にはちゃんと意志を持っていることが伝わってくる。 それにしても・・・ そうなんだ! そういう展開なの!? と、 大いに驚いてしまう。 ここはネタばれになるので劇場で観ていただきたいのだけど、フランスと日本の2つの文化に対峙している、諏訪監督自身のアイデンティティも大いに関係しているのだろう。 少し意外に思ったのは、ここからちょっとずつ着地点がずれてきてしまっているように思えたこと。 「ユキとニナ」なんだけど、後半はニナがほぼ登場しなくなってしまう。 ニナとの関係が中心? と思いきや、そうではなくなっていってしまう。 結局は、子どもは状況には抗えないということなのかもしれないし、それが逆に自分の原点を追いかけていく旅になったとも言えよう。 後半の登場人物に若干ぎこちなさとか、浮世離れした部分があったり、エンドロールの曲が状況とはまるで違う場所に関するものであったり、ユキがドライになってしまっている部分があったり(まだ子どもだから、すぐに忘れるのかな?)、諸々の条件が、この映画の軸をぶれさせてしまっているのは非常に残念でした。 自分としてはこういうテーマって好きなんですけどね。。。
今日の評価 : ★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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