あと数時間
今年も残すところ数時間となりました。東京大賞典も終わり地方競馬も一段落。しかし今日も明日も休み無く地方競馬は行われています。特に今日は大井競馬の6レースに国枝厩舎出身のレッドガナドーラちゃんが出走。前走よりも1ハロン距離が伸びた分、終いは少し脚色が鈍りましたが他馬を全く寄せ付けず快勝。これで大井に移籍して2戦2勝。今後の大きな活躍が期待できそうです。ガナちゃんのスピードとパワーは2歳の頃から国枝厩舎の並み居る古馬達にも負けない爆発的なものがありました。しかし一方でそのスピードを自らコントロールできない気性面での爆弾も持っている子でもあります。メンタルとフィジカルの両面がいつの日かがっちりと噛み合えば、とんでもない馬になるぞと大きな期待を寄せておりました。しかし若いうちは雄大な馬格も影響したのか体質的に無理が利かず、出走にたどり着くのがやっとの状態でした。使いつつ体質の強化や精神面での成長を待っている状態。しかしながらここ最近は競走馬の回転のサイクルが早まり未勝利戦の終了も早くなってきています。彼女のように体質が弱かったり、生まれが遅いお馬さんの中には高い素質を秘めながらもその実力を発揮できないまま未勝利戦が終了となってしまう場合も多々見られます。その様な状況の中で残念ながら中央競馬の舞台を去ることになってしまったガナちゃんですが、今日このように晴れの舞台で気持ちよく走っている姿が見られて本当に良かった。地方競馬という活躍の場が与えられた彼女は本当に幸せだと思います。しかしその地方競馬という受け皿は年々減っている現状です。生産頭数もかなりの勢いで減少しているので適正な競馬場の数を模索しているところだとも考えられますが、やはり危機的な意識を持ってしまいます。中央競馬、地方競馬を退役した後の競走馬たちの受け皿も含め、競馬・馬社会全体の構造の行く末もとても心配になってきます。私たちにできる事、それはガナちゃんのようにチャンスを与えてもらえるように、どんな時でもお馬さんが力を出し切れる状態で出走させること。ガナちゃんだって中央では勝つことができませんでしたが、力があることは証明できていました。だからこそ馬主さんに次のチャンスを貰えたわけですから。いつでもお馬さんが全力で走れるように準備しておいてあげなくてはいけません。来年もそんな部分でお馬さんたちに少しでも貢献していけたらと思います。それでは皆さん良いお年をお迎え下さい。