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イタリアでモロッコごはん

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Delizia

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2004/08/31
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カテゴリ:イタリア生活
私が幼かった頃、家の裏手には畑や雑木林、鬱蒼とした森が広がっていた。

木の覆い繁る森の中に通る1本の小道があった。
その小道は昼間から薄暗く、くねくねと続くので先は見えず
至るところに木の立て札が立ててあった。

白く塗られた木の立て札には赤い文字で

「ちかんに注意」 と書かれていた。


私は「ちかん」がどういうものか解からなかったので親に聞いてみると
「オンナの人にイタズラをするヘンな人」とのことだった。
「ちかんの森」を1人で歩いちゃダメよ、とも言われた。


幼い私は恐怖と好奇心で震え上がった。


1人で歩いてはいけない...。



小学校が夏休みに入ると、私は父親とよく早朝に散歩に出かけた。
父親は、朝の小鳥のさえずりを録音するため
小型マイクを片手に歩いていた。

私はと言えば、1人では入れない、ちかんの森に足を踏み入れるチャンスなので
ちょっと怖いながらも父親の腕をひっぱってドキドキしながら森の小道を散歩コースにするのが日課だった。


ちかんの森では「ちかん」に会えなかった。


そんな早朝に痴漢は活動しないか...と今さらながら思うわけだが
当時は「ちかん」は常に森に潜んでいて
オンナの人が通ればイタズラをしに襲い掛かってくるものだと思い込んでいたのだ。


そして先日
こんな私の幼少の頃の思い出が頭の中を一気に駆け巡る一件に遭遇することに....。


夕方7時半頃、散歩を兼ねたジョギングに1人で出かけた。
私の現在の家の裏手には山があり、いつも気になっていた
まだ1度も足を踏み入れた事の無い小道があった。

今日の散歩コースはココにしよう。


夏の間のイタリアは日が長く、夜9時頃まで明るかったりする。
ただここ数日、ぐっと日が短くなっていたのを私は忘れていた。



小道をどんどん進んで行くと、そこは車で山を越えるための山道であることがわかった。
山の斜面にはオリーブ畑が広がり、その脇には馬が牧草を食んでいて
そこからは素晴らしい夕日を見ることができて感動した。


どんどん山道を進んでいくと薄暗くなってきた。
うら寂しい山道にはたまに車が通るだけで人は私以外歩いていない。


ここで、ふと「ちかんの森」を思い出して怖くなって走り出した。


山道の右手には誰も乗っていない車が一台停まっていた。


どこかから「ちかん」が襲い掛かってこないことを祈った。




と、その時、山道から左下に広がる斜面に男の影が!!


どうしてこんな斜面に人が.....!?


ありえない体勢で......


上下運動している!


ということは、斜面で見えないけど、下には女性がいるってことか!


私は一目散に逃げ出した。猛ダッシュでそこから走り去った。



私目掛けて「ちかん」が出てこなくて本当に良かった。
母親が言っていた通りだ。
寂しい小道は1人で歩いちゃいけない。























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Last updated  2004/09/01 07:52:15 AM
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 Delizia@ Re[1]:モロッコの掟~産後編~(07/25) くんみさん はじめまして。ご訪問あり…
 くんみ@ Re:モロッコの掟~産後編~(07/25) レモンの塩漬けのレシピを探していた通り…
 Delizia@ Re:おひさしぶりです(07/18) bunさん >しばらく覗いてない間に、お二…
 bun@ おひさしぶりです しばらく覗いてない間に、お二人目を産ま…
 Delizia@ Re[1]:私の大好物。(07/18) 夏の大空さん >だんなさまの作で暮れる…

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