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テーマ:映画レビュー(889)
カテゴリ:映画レビュー
原作はSF詩人レイ・ブラッドベリの短編、「いかずちの音」。
「火星年代記」、図書館で読んだな~。 原作は面白いに違いない。しかし制作費100億円をかけて最新VFX技術の粋を集めて作る予定だったものが、製作会社の倒産により製作中止に追い込まれてしまってはどうしようもない。 そのままお蔵入りになりそうな物なのに、なんとかかんとか公開に漕ぎ着けた作品なので、覚悟して見ることにした。 ストーリー 西暦2055年、人類はタイムトラベルを可能にしていた。 シカゴの大手旅行代理店タイム・サファリ社では、6500年前にタイムトラベルして恐竜狩りを楽しむという人気ツアーを主催していた。ただし、地球の歴史が変わらぬように、「5分後の火山爆発で死亡する恐竜」を「5分後に死亡する時と同じ場所」で「物質が残らない液体窒素の銃」でハンティングすると言ったように、ツアーは厳格に管理されていた。 しかし、ある時、ツアー客の一人が気づかぬうちに重さ約1.3gの「何か」を過去から持ち帰ってしまったため、地球上の進化の歴史が大きく狂ってしまう。 それはタイム・ウェイブ(進化の波)として地球に押し寄せた。最初に異常気象が引き起こされ、続く波で巨大植物の異常繁殖、さらには未知の巨大生物まで出現する。 そして最後の波が来たとき、人類は滅亡してしまう。それまでに残された時間はあと僅か。はたして、人類はこの未曾有の危機を乗り越えることができるのか? シナリオはなかなか面白いし、プロットもいい。 もちろん、ストーリーに矛盾やご都合主義は多いが、この手のSFにそんな文句をつけても仕方ないだろう。 しかし、許せないのはCGや特殊メイク。この映画のキモであるはずのVFXの部分が、徹底的にダメだ。 どのくらいダメかと言うと、ダメすぎて笑ってしまうくらい。昔のストップモーションを見てるようなクリーチャー、PS1(PS2ではなくプレイステーション)のゲーム画面を見ているようなCG。そこに合成されるNHKのブルーバック合成のような人々…。 俺 を 笑 い 死 に さ せ る 気 で す か !? CGの街並みを主人公たちが歩くシーンでは、背景の移動距離と人間の歩幅が合っていない為、歩く振りをしながら足踏みしてるように見えるし、街を走る近未来の車は「LEGOかっ!?」って聞きたくなるようなデザインだし、クリーチャーデザインは「アルゴ探検隊かっ!?」って言いたくなるような出来だし。 それから、ストーリーの最後の部分は、元々短編を原作にしているために「映画」としてはあっさりしすぎたエンディングだった。ここはSFに造詣の深い監督だったらもっと何とかなったかもしれない部分であり、残伝でならない。 もっとこう、どんでん返しを用意するなり、過去を修正すると言う行為の達成に緊迫感を持たせたり、全てが終わったと思ったその時に何か以前の地球と違った事が起こっていそうな雰囲気をかもし出したり。 そういう「映画を一本見た!」的なすっきり感が無いのが残念。 「え、終わったの?あ、そう。良かったね戻れて。」 で終わってしまうのは映画としてどうよ? 「やった~!間に合った~!よかった~!」 とはまったく思えない。 もったいない映画だった。 金のある会社がリメイクしてくれたら見たい。ILMとかドリーム・ワークスとかで。 B級映画好きなら楽しめる。絶対にSF大作を期待して見に行ってはいけない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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