テーマ:政治・社会問題(2915)
カテゴリ:時事・社会
57年前は、初めて親元を離れて、自由きままな学生生活を始めた年でした。
真っ青に澄み渡った秋晴れの土曜日の午後、中心街の通りをぶらぶらしていたら、電気屋の前で何やら人だかりがしている。そのとき初めてカラーテレビの鮮明な映像を見たのです。それが1964年東京オリンピックの開会式でした。 最終聖火ランナーの坂井義則さんが聖火台に点灯するときに、画面の左側から先端がおわんのような湾曲した棒状のものが何本かゆらゆらゆれているのを見て、「あれは何だろう」と不思議な思いで見ていたのを今でも覚えています。 そして、体操、柔道、レスリングの選手たちに加えウエイトリフティングの三宅選手や東洋の魔女と言われたバレーボールチームなどが金メダルを獲り、マラソンではエチオピアのアベベ・ビキラ選手が金メダル、円谷幸吉選手が銅メダルなどのニュースが、テレビや新聞で話題となり、国民全体が高揚していました。 貧乏学生の私はテレビなど持っておらず、もっぱらラジオや食堂などで見る新聞の記事が情報源でしたが、それでも高揚し、興奮しました。 あれから57年、TOKYO2020では、時間貴族の特権で、鮮明なカラー映像の4Kテレビで見たい試合を好きなだけ観戦させてもらい、選手たちの躍動、真摯に戦う姿勢に感動、興奮し、思いっきり愉しませてもらいました。 そして、多くの日本人選手が戦いの後のインタビューで、口をそろえて「コロナ禍で開催していただいたことに感謝しています」と言っていました。 「オリンピックは中止すべきだ」と声高に言う一部政党の国会議員の発言や、マイナス面ばかり強調して世論を否定論に誘導しようとする一部メディアのネガティブキャンペーンに選手たちが胸を痛めていたためか、それとも自然に口を出た感謝の気持ちなのかはわかりませんが、できれば後者であってほしいと思います。 あるテレビ局のアンケート調査では、「オリンピックをやってよかった」という意見が66%あったとのことで、少しほっとしています。選手の皆さんがこのことを知って、今後も自分の信念に従い、勇気をもって挑戦していってくれることを切に願います。 賛否両論いろいろあってよいでしょう。それを自由に表現できるのが日本をはじめとする自由主義社会のよいところであることはわかります。 しかしながら、未だに得体のしれない厄介なウイルスに社会が振り回され、もどかしいい気持ちがあるとはいえ、そのいらだちを傍若無人に表すのはいかがなものかと思います。オリンピックという平和の祭典で、世界のアスリートと切磋琢磨するために人生をかけて刻苦勉励してきた人たちの努力にもう少し敬意を払ってもよいのではないでしょうか。 何はともあれ、厳しい環境下でのオリンピックは昨日無事閉会式を終えました。今回の閉会式の最後のメッセージ”ARIGATO”は、何よりも様々な困難を越えて頑張ったアスリートへ、そして彼等を支えてきた人々、大会運営に携わった人々、日本国民などへの様々な感謝の気持ちが込められた、すばらしいメッセージであったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.12 07:00:15
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