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2013/09/07
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テーマ:社交ダンス(8436)
カテゴリ:アートのはなし
東京都美術館へ行ってきました。

大将が中学の同窓会とかで京都に行っているので一人自由の身です。

やっぱり美術鑑賞や映画鑑賞は一人で行く方が気が楽ですね。

誰か一緒にいると何かしゃべらなくちゃとか言う強迫観念に駆られるし、自分は楽しいけど相手は楽しんでるかなとか妙に気を使うんですよ。

その点一人だと気になった作品を何度行きつ戻りつして鑑賞してもいいし、面白くなかったらすぐに出て来ちゃう事も出来ます。

今日ご紹介する『ルーブル美術館展 地中海四千年のものがたり』の目玉はなんといってもこのチケットになっている作品。

アルテミス、通称「ギャビーのディアナ」紀元100年頃
ギャビーのディアナ.jpg

今から2千年近く前に造られた作品が手も足も首も鼻ももげてなくてそのままの美しい姿をとどめている事だけで感動ですよね。

私はつい足元を見てしまいました。

人の足の形が三つのタイプに分類されているのご存知ですか?

1 親指が一番長い「エジプト型」
2 人差し指が一番長い「ギリシャ型」
3 指がほぼ同じ長さの「スクエア型」

自分がギリシャ型なので、ギリシャ彫刻を見るとつい足がギリシャ型になってるかチェックしてしまうんです。

この美しい狩りの女神様もギリシャ型になってました。





ルーブル美術館は何十年も前に一度訪れた事があります。

何しろ広大な美術館なのでとても1日では回りきれないんですね。

この女神様を見たかどうかも覚えていません。

日本に来たルーブル美術館展は既に2回ご紹介しました。

作品数が膨大なのでテーマを決めないと選びようがないんでしょうね。

『古代ギリシア芸術・神々の遺産』『17世紀ヨーロッパ絵画』もご興味ありましたらご覧下さい。

今回は地中海沿岸に場所を絞って、4000年の歴史をたどりながら各時代に残された芸術作品の数々を紹介してくれています。

メトロポリタン美術館展でも似たようなテーマで作品紹介されてました。

ルーブルに地中海で栄えた文明の遺跡が多く展示されているのは、ナポレオンもそうでしたけどフランス人がそれらの文明に深い興味を持ち熱意を持って収集・研究したということでしょうね。





地中海諸国に共通するのは温暖な気候から産み出される小麦、ワイン、オリーブなどの産物。

そしてそれらの交易の拠点として発展した島々には紀元前の人々の暮らしや信奉した神を図柄にしたツボや杯が多く出土しています。

第1章は地中海の始まり(紀元前2000年から前1000年紀までの交流)です。

何千年も前のおしゃれなスプーンがあったり、手の混んだ香油入れがあったり。

文字の多様性には驚きましたね。シャンポリオンが解読したとされるロゼッタストーンの複製があったんですが、そのほかにもアッカド文字とかフェニキア文字とか、エジプト文字やギリシャ文字とは違うのもいろいろあったんですね。





第2章は統合された地中海(ギリシャ、カルタゴ、ローマ)。

ここでの発見は地中海を隔てたヨーロッパ側のギリシャ、ローマとアフリカ側のカルタゴ(現在のチュニジア)では彫刻にする素材がはっきりと分かれている事です。

ヨーロッパ側では大理石ばっかりなのに対し、アフリカ側は石灰岩を使っているんですね。

地中海流域の一帯が一つの国に統合されたのは後にも先にもローマ帝国だけだそうで、ローマ軍に徹底的に破壊され尽くしたカルタゴの遺産はほとんど残っていないようです。





第3章中世の地中海(十字軍からレコンキスタへ1090-1492年)。

この時代はほぼキリスト教とイスラム教の勢力争いと言った様相ですが、ケビン・コスナー主演の映画『ロビンフッド』でも描かれていたように異文化交流も盛んだったようです。

去年世界選手権があったマヨルカ島もレコンキスタの波に乗るアラゴン王国に統合された歴史があります。





第4章地中海の近代(ルネッサンスから啓蒙主義の時代へ1490-1750年)。

オスマントルコ全盛の時代。

イタリアではギリシア、ローマの文化を復興しようとする文化運動ルネッサンスが花開きます。

この頃はオランダもスペインもポルトガルも西洋列強諸国はこぞって大航海に乗り出していますので、地中海貿易は近場の買い物のようなものだったのかもしれません。

西洋ではトルコ趣味というのが流行っていたらしく、レンブラントの作品にもトルコ風の肖像画があった事を思い出しました。

こちらはジャン=エティエンヌ・リオタールの作品。

『トルコ風衣装のイギリス商人レヴェット氏と、クリミアの元フランス領事の娘クラヴィーニ嬢』(1740年頃)
トルコ風.jpg


第5章 地中海紀行(1750-1850年)

この時代の西欧では、教養を深めるためのイタリア旅行、特にイギリス貴族が始めたグランドツアーとよぶ旅行ブームがあったそうなんです。

ゲーテのイタリア紀行もこれなのかしら。

ここに来てようやく彩り豊かな絵画群に遭遇しました。これまではずっと出土品が多かったのでみんな白とか茶色だったんですよね。

こちらコローの作品。

『ハイディ:ギリシャの若い娘、イギリスの詩人バイロン卿によるドン・ジュアンの登場人物』(1870-1872頃)
コロー.jpg

なんだか時間的にも距離的にもヨーロッパ大旅行をした気分になりました。

本当はこのあと隣の西洋美術館で始まったミケランジェロ展も見ようかと目論んでいたんですが、ここだけで気がつけば閉館間際。

全部で273点の歴史的価値の深い品々、じっくり見させて頂きました。

こちら9月23日までやってますので、ご興味ある方どうぞご覧になってみて下さい。

学校の授業より勉強になるかも。

公式サイトはこちらです。

ルーブル美術館展 地中海四千年のものがたり







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Last updated  2013/09/10 07:13:36 PM
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