テーマ:社交ダンス(8312)
カテゴリ:映画のはなし
キューバ危機を描いた映画はいくつかありますが、これは政府関係者でも何でもないただのセールスマンが核戦争回避のために命をかけた実話です。
1960年代初頭、米ソの対立は頂点に達し緊張状況が続いていました。 当時ロシアの最高指導者として君臨していたフルシチョフ第一書記は、核のボタンを勢いで押しそうな人物だったんです。 GRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキーはこれを憂い、核戦争を回避するため密かに西側へ情報を流していました。 しかし当時は鉄の壁があったので、なかなか情報伝達が難しかったんです。 CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)は、ソ連から絶対にスパイの疑いがかかりそうもない人物に白羽の矢を当てます。 英国人セールスマンのグレヴィル・ウィン。 中年太りの大酒飲みです。 彼は機械部品を売り込むために何度か東欧諸国に出張していました。 初めは簡単な仕事に思えました。 ただモスクワでビジネスを進める傍ら、渡されたものを指定の人物に届けるだけです。 ただし仕事内容は家族にも秘密。奥さんは出張の増えた夫が浮気していると勘違いします。 回を重ねるうちに、グレヴィルとペンコフスキーの間に友情が芽生え、この危機を乗り切ったらいつかペンコフスキーが無事アメリカ亡命を果たすことを願うようになりました。 スパイは世界中あらゆるところにいるんですね。 ロシアの情報がダダ漏れになっていることをCIAに潜入していたロシアのスパイが気付き、機密情報を持ち出せる地位にいる人物に注意が向けらるようになります。 歴史上の事実なので、キューバ危機を脱したことは知っていますが、一体この二人の運命が如何なるのかハラハラしっぱなしでした。 『クーリエ:最高機密の運び屋』は2020年製作のイギリス・アメリカ合作映画です。 監督はドミニク・クック、英国人サラリーマンをベネディクト・カンバーバッチがすばらしい成り切りぶりで演じています。 最後にグレヴィル本人のインタビューが流れるんです。 キューバ危機の舞台裏で最後まで名誉ある立場を貫いた英雄に見えました。 面白い映画でした。おすすめです。 公式サイトはこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/01/24 07:51:58 PM
コメント(0) | コメントを書く
[映画のはなし] カテゴリの最新記事
|
|