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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2008年07月15日
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カテゴリ:アート
群仙図屏風.jpg

やっと、念願の対決展に出かけることができた。都合
で、平成館入館が3時近くになってしまったのだが、
やはり、先行の方々のおっしゃるとおり、2時間では
充分眺めることができない。「大雅vs蕪村」あたりか
ら、駆け足になってしまった。

ここでそれぞれの2者対決をどちらが勝ったと単純に
興じるのも楽しいのだが、それ以上に選りすぐられた
名品の数々には、圧倒されっぱなしであった。

特にこの展覧会のいちばん期待していた作品は、蕭白
の「群仙図屏風」である。過去、何回も見る機会を逸
して、やっと今回初対面となった。右隻の赤と青の衣
をまとう濃密な二人の仙人の姿は、強烈である。特に
濃彩の朱は、まるで血が飛び散ったようだ。眺めてい
るだけで、ヒクヒクしてしまう。左隻の女性像ははっ
きりいって、狂人だ。視点が定まってなくアブナイ。
「常軌を逸した妖しい画面が展開する」というキャプ
ションの通りである。

この「群仙図屏風」に十分、痙攣して大満足した。対
する若冲も今回ばかりは、蕭白の危なさには勝てなか
ったと思う。

いちばんゴージャスだったのは、永徳の「檜図屏風」
と等伯の「松林図屏風」が並んでいたコーナー。この
2枚の国宝は、それぞれ甲乙つけがたい。絢爛豪華な
永徳と、心象風景にこだわった等伯。ふたりの目指す
方向性の違いがよく分かった。

応挙と蘆雪は、奈良県立美術館まで2回も見に行った
ので、さほど対決意識はない。今回、無量寺の虎とま
た出会うことができて嬉しい。あのでかい頭は、何度
見ても可愛くてたまらない。

雪舟の「慧可断臂図」は、恐い絵だ。自らの左手を切
り取ってまで~と思うのだが、それをさりげなく描い
ている雪舟もスゴイ。

長次郎の「大黒」は残念ながら、すでに展示が終わっ
ていた。「俊寛」のさりげない窪みが印象に残る。

宗達の「蔦の細道図屏風」。なるほど、左隻と右隻を入
れ替えてもピタリと当てはまる。江戸の初期にこのア
バンギャルド。琳派っていいなぁ。

あっという間に閉館時間だ。常設展に行くヒマもなか
ったが、駆け足で真如苑の大日如来像をさっと眺めて、
東博を後にした。





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最終更新日  2008年07月28日 05時59分16秒
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