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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年03月30日
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カテゴリ:アート
前回のこの美術館での「帝展期の東京画壇」で、
木村武山の「光明皇后」を見て、この画家の万葉
の昔の時代のような色遣いがすっかり気に入って
しまった。

慈母観音.jpg

今回も、まず「慈母観音」↑と「観音」が出展され
ている。「慈母観音」は、狩野芳崖の「悲母観音」を
連想するが、やはり彼へのオマージュのようだ。
この二つの観音にうっとりと見入ってしまう。

武山の十二か月図の色紙もよい。特に十月の「楓
小鳥」の虫食いの楓の朱色が、実に素敵であった。

「錦魚」の水面に浮かぶ水草でも、わかるように、
彼は金泥を使って植物の表情を表している。この
質感が素晴らしい。反面、水の中の小エビやメダカ、
水すましなどが薄墨でシルエットになっており、
雰囲気がいや増すのである。

そして、武山の「仏画」。彩色画と紺地の紙に金泥の
描線だけの仏たちが互い違いに並べられている。

この展覧会で、武山という画家の作品を数多く
見ることができ、お気に入りの画家のひとりと
なった。

逆に大観の作品は、武山に比べ、感銘するものは
少なかった。

最初の部屋では、「夜梅」。墨で描かれた梅の固い
枝の表情が、峻烈な感じを与え、胡粉の白い花が
ほっとした感じを与える。これは良かった。

「大正大震災大火災」は紅蓮の炎に包まれる上野
から浅草界隈の様子。まさに大観が目撃しただろう

光景だが、小品でもあり、大観らしくないなぁと
感じた。それでも一見の価値はあり。

奥には「誌上の光彩-樺島勝一」のコーナー。
山中峯太郎や海野十三ら原作の冒険小説の挿絵。
なかには、ペン画ではなく、写真と見間違える
ようなリアルな絵もある。

ジャングルでの猛獣との遭遇、海中探検、未来都市、
戦争もの・・・など、原作を読まずとも、ワクワク
ドキドキの世界。楽しめた。





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最終更新日  2009年03月30日 06時14分58秒
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木村武山   とら さん
木村武山の仏画に感心しました。
武山もこれだけまとめてみると、彼の全貌に近づけますね。

(2009年03月30日 08時35分54秒)

ありがたい野間   遊行七恵 さん
こんにちは
本当に色々愉しませてくれる野間です。
武山の色彩感覚は優しくていいですね。
>万葉の昔の時代のような色遣い
言いえて妙です!
翳りがなくていいですね、ほんとに。
樺島のスーパーリアリズムは本当に凄いです。
わくわくが止まりませんよ。
(2009年03月30日 12時50分13秒)

とらさん   一村雨 さん
武山、すっかりファンになりました。
まだまだみたいですね。 (2009年03月31日 22時05分58秒)

遊行七恵さん   一村雨 さん
樺島、正ちゃんとちがって
そのリアリズムには、驚きました。 (2009年03月31日 22時08分23秒)


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