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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2011年01月24日
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カテゴリ:アート
日本画の前衛.jpg

日本画というと、花鳥風月、歴史・神話の人物画、風景画、美人画などを題材にしたものという先入観がある。それこそ、現代アートの世界では、何でもありの主題で驚きはしない。ところが、戦前に日本画壇でも抽象絵画やシュルレアリスム絵画を描いていた集団があったという事実を今回の展覧会ではじめて知り、驚くともにたいへん興味深く会場を廻った。

山岡良文、、山崎隆、田口壮、船田玉樹など、出展されている画家は、はじめて名前を知る画家ばかり。かろうじて丸木位里は、原爆の図を描いた画家だと知っていたのみ。

抽象絵画はカンディンスキーの影響を受けていたのだが、たとえば山岡良文の「シュバンヌンク」や、山崎隆の「象」では、その簡素な表現と色彩の美しさには目を見張った。カンディンスキーというより、マレーヴィチのスプレマティズム絵画を思い起こした。

KISETUNOTEISI.jpg

田口壮(さかえ)の「季節の停止」は、とても素敵だった。「シュルレアリスムの詩」と呼ばれている絵だそうだが、男女の姿に山に向かってパラソルが飛ぶ光景。テーブルの上の蛾は、三岸好太郎の絵を思い起こす。かろやかな浜辺の光景。日本画でこんな表現ができるのかと驚いた。

日本画だけでなく、靉光や私の好きな北脇昇の油彩画も数多く出展されており、常設展の浅原清隆や浜田浜雄の絵と併せて、日本のシュルレアリスム絵画を楽しむことができた。

その他、琳派の装飾美を髣髴させる船田玉樹の「花の夕」など、美しい作品も数多い。日本画で描いた戦争画があったり、従来、日本画だと思っていた範疇を超えた多様な表現を見て認識を新たにした。





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最終更新日  2011年01月26日 00時32分55秒
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