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カテゴリ:街についてうんちく
今から10年前、絵描きになろうとしていたうちの兄貴が突然の事故で亡くなった。 母親や兄の友人は悲嘆に暮れながらも、残されたたくさんの作品を整理し、1年後に遺作集を刊行した。そしてその4月、銀座の並木通りにある画廊を1週間借りて、兄の遺作展を行った。 中心になったのは母親と兄の芸術仲間で、兄と一緒に土方などして働きながらオブジェをやっていた友達と、絵画をやっていた兄の恩人のような二人の友達で、企画から画廊選び、作品の搬入など、自分のことのように一生懸命やってくれた。 遺作展の最後の日は兄の大学時代の友達や後輩などが大勢集まり、遺作展は大盛況に終わった。最後に母親が花束をもらって挨拶をして、打ち上げとなった。母親にとっても、自分の息子を亡くした思いに対する一区切りであったと思う。 遺作展の中心となってくれた兄の二人の友人とともに、兄が亡くなってから遺作展が終わるその日までの労をねぎらいながら、画廊の前で兄のことを振り返った。 「絵描きって、死んでからも迷惑をかけるんだね」 タバコを片手に、そう笑いながら話した兄の友人の言葉に、周りに迷惑をかけながらも兄はつくづく友人に恵まれたんだなって思った。その時みた夜の銀座のハナミズキの白い花がとても印象的で、いつまでも記憶に残っている。遺作集や遺作展のために、かけずりまわった俺にとってもその日は一区切りとなった日だった。 人って生きていればよくないこともあるかもしれないけれど、その後何をやるかによって、よくないこともきっと時間がたてばいい思い出につなげることができるのかもしれない。 ハナミズキが咲く季節になり、花が咲いた街路樹をみかけると、いつもその夜の銀座のことを思い出す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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