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2012年04月22日
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カテゴリ:読む愉しみ

 

「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」

と言ったのは、林芙美子でしたが、

ほんとうに・・・

花の命は短くて・・・

「満開です!」と、お知らせしたあとすぐに、市内の桜は、雨とともにおおかたの花を

落としてしまいました。

街のあちらこちらが桜色に染まって、ちょっと華やいだ気分になったのもつかの間。

ほんとうに、はかないいのち。

だから、

だからお花見の時季は、落ち着かないのですよねえ。

 

関東のさくらは、すっかり終わってしまいましたが、 

でも、

桜前線北上中。

東北や北海道のさくらは、これからですねえさくらさくらさくら

今年の冬は特に雪が多かったので、春の訪れをどんなにか待ち焦がれていたことでしょう。

北国にお住まいの皆さん、さあ、待ちに待った春ですよ~!!

 

 

ところで、

さくら舞い散る季節になると、思い出す詩が何篇かあります。

昨年のこの季節のブログ「生はいとしき蜃気楼」に書いた、茨木のり子「さくら」もそうですが

金子光晴が孫の若葉さんへの愛情を綴った、この詩もまた、さくらの花びらとともに

ふんわり舞いおりてきます。

といっても、憶えているのはこの短いフレーズだけなのですが。

うば車を押しながらそっと祈る。 雨風よ。若葉をよけてゆけ。

 

「雨風よ 若葉をよけてゆけ」

だなんて・・・

胸キュンですよねえ。。。

小さな命をいつくしむ祖父のまなざし、

愛しい孫のうば車を押しながら、目を細めて微笑む祖父のまなざしが、

あたたかいですねえ手書きハート

 

 

さて、では、この詩の全文をご紹介いたします。

 

詩集『若葉のうた』から

 

さくらふぶき     金子光晴

 

夢でみた若葉は、さくらふぶきのなかに、花嫁の振り袖すがたで立っていたが

顔をのぞくと、やっと立ちあがる、まだあかん坊のままの顔だ。

 

あたりはしづかで、もの哀しいことしの春のかはたれどき

しあはせなんだねとたづねると、娘らしくその顔を袖にかくしてはにかんだ。

 

パパやママが若葉のしあはせを見送るさびしさの、その日はいつの先のこと、

その日にあへるすべもない祖父は、うば車を押しながらそっと祈る。

雨風よ。若葉をよけてゆけ。

 

うば車がしづかにうごくと、若葉は、まぶたを閉ぢる。

そのまぶたのうへに、一もとのうこんざくらが、とめどもなしに散りかかる。

 

 

 






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Last updated  2012年04月22日 21時58分03秒
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